【遺族厚生年金】5年間で給付打ち切り、中高齢寡婦加算も廃止検討で改悪か?改正ポイントをわかりやすく解説
まとめにかえて
遺族厚生年金の大きな改正点はわずか数点です。男女差をなくし、現代社会に適した制度へと改正していく予定です。 SNSでは「5年で遺族年金が打ち切り」「高齢になって5年で打ち切られたらとても生活できない」といった、改正内容を誤解している投稿が存在しました。 実際は、5年の有期給付は「子のない夫・妻」に対してであり、子どもがいる人についてはこれまでどおり終身での給付となる予定です。また、高齢期に配偶者を亡くした人も、これまでどおり終身給付を受けられます。 また、5年間の有期給付となることによる配慮措置を講じることも検討されています。よって、今回の遺族年金改正が大きな「改悪」とはいい切れないでしょう。 改正の具体的な内容は、今後国の審議会でさらに議論され、方向性が固まっていくものと考えられます。今後の審議会の内容や遺族年金に関するトピックを、引き続き注視していく必要があるでしょう。
参考資料
・総務省統計局「労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果の要約」 ・厚生労働省「図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移」 ・厚生労働省「遺族年金制度等の見直しについて」 ・日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」
石上 ユウキ