「フェロモン」「ロケット」「為替相場」……未来の社会を変える大学の面白いゼミ15選
大学での学びの集大成の場ともいえるゼミ・研究室。専攻分野などに応じて指導教員のもとで研究活動を深めていきますが、その内容も研究の進め方も、一つとして同じものはありません。面白い先生がいるゼミで学びたい。そんな視点から大学選びをすることは、有意義な学生生活を送る重要な選択肢になるでしょう。 【写真】「ハーバードより難しい」合格率3%…ミネルバ大学とは? 世界7都市を移動、卒業生が語る学生生活
1. 早稲田大学:エチオピアで開発調査も
早稲田大学政治経済学部のゼミの中でも、「本気度」で学生たちに人気なのが、高橋遼・准教授の開発経済学ゼミです。ゼミの最大の特徴は、エチオピアやバングラデシュなどの発展途上国を学生らが実際に訪れ、デジタル技術を駆使しながら、現地でオリジナルのデータを自ら収集・分析することです。そしてそのエビデンスに基づいて、発展途上国の経済成長を促す政策提言を考え、議論しています。 高橋准教授が学生に身につけてほしいと考えているのは、コミュニケーション能力と、自分の軸を持つことです。開発経済学の分野で仕事をするのであれば、宗教や文化、教育水準や経済状況もまったく異なる人たちと、同じ目標に向かって協働しなければならないからです。
2.慶應義塾大学:公共政策を分析・評価する
年金や医療制度、少子高齢化、地方都市の衰退など、社会が直面するさまざまな問題を、国や自治体は税金を原資に解決を図ろうとします。社会にとって望ましい政策は何か、実際の政策に効果はあるのか。慶應義塾大学経済学部の寺井公子ゼミでは、経済理論をもとに、実際に行われている公共政策を分析・評価する手法を学んでいます。 一口に公共政策といっても、税や社会保障から医療、教育、環境、まちづくりなどさまざまです。寺井ゼミでは、学生自身が「面白い」と思ったテーマを選び、研究します。例えば限界集落への興味から、「地方都市はコンパクトシティを導入するべきか」というテーマに挑んだ学生もいます。
3.東京理科大学:人間が飲んだ薬で魚が行動異常?
動物は周りの環境から常に影響を受けています。例えば、ワニ、トカゲなどの一部の爬虫類は温度によってオス・メスの性別が決まります。東京理科大学先進工学部生命システム工学科の宮川信一教授のゼミでは、動物が環境にどう反応するのかを研究しています。 その一つが、メダカを使った研究です。病気の治療のために人は医薬品を服用しますが、体内から排出された成分が川に流れていくことがあります。環境中に放出された化学物質は魚にどんな影響を与えるのか、その変化をメダカを使って調べています。