「フェロモン」「ロケット」「為替相場」……未来の社会を変える大学の面白いゼミ15選
10.中央大学:ネットの誹謗中傷をなくしたい
インターネットの登場で世の中が激変したように、技術の発展は社会を変えていきます。そんな情報と技術の関わりについて、社会学的な視点も加えて研究しているのが、中央大学国際情報学部の岡嶋裕史教授のゼミです。 ゼミには、ネットワーク、メタバース(インターネットの仮想空間)などをキーワードに、コンピューターの好きな学生が集まっています。4年の気谷聖子さんもその一人。「アニメや漫画のコンテンツをたくさん持っている日本は、メタバースの世界観の醸成に協力できるといわれています。メタバースの発展に日本社会がどう貢献していけるのか、ネットの誹謗中傷のような悲劇が起きない平和な場所にするにはどうすればいいのかを考えていきたいと思っています」と話します。
11.関東学院大学:能登半島地震の液状化現象を調査
いつどこで起きるかわからない地震や自然災害の被害を、どうやったら減らすことができるのでしょうか。関東学院大学理工学部の規矩大義(きく・ひろよし)教授の研究室では、自然災害によって地盤にどんな変化が起きるかについて研究しています。なかでも地震で液状化現象が起きるメカニズムを解明し、防災に役立てようとしています。 2024年6月上旬、理工学科土木・都市防災コース4年の深澤健太さんは石川県内灘町に滞在し、教授と助教の指導のもと、液状化の被害があった土地の地盤を調査しました。
12.青山学院大学:レーザー光で「分子」の世界を解明
超高精度の顕微鏡でも見ることができない小さな「分子」。青山学院大学理工学部の鈴木正教授のレーザー光化学研究室は、レーザー光の力を使って目に見えない分子の世界を読み解き、犯罪捜査やがん治療などさまざまな分野へ応用するための研究に取り組んでいます。 分子は、レーザー光を当てると光のエネルギーを吸収し、エネルギーが高い「励起(れいき)状態」へと変化します。研究室では主にその励起状態の分子の性質を調べる基礎研究をしていますが、そこから派生して、文書改ざんを見つける新たな手法を開発したり、細胞のDNAを構成する核酸塩基の研究に力を入れたりもしています。