4カ月で75kg→55kgも…週1回投与で年6kg減という医師も認める「夢のダイエット薬」の自由診療の価格と副作用
■1年で6キログラムの減量が注射だけで簡単にできる 1カ月に1万5000~2万円程度で確実に「痩せる薬」があると聞いたら、あなたは使いたいと思うだろうか。しかも正しく使えば、重大な副作用の発生頻度が非常に低い薬なのだ。今、世界中で爆発的に売れている「マンジャロ」(一般名・チルゼパチド)である。糖尿病患者に使われる注射なのだが、血糖低下だけでなく、体重減少効果が高いことがわかっている。欧米ではダイエット薬として認可され、この注射を使ったダイエットが大ブームに。 【図表】GLP-1受容体作動薬は 脳や消化器官に働きかける 日本では昨年4月に2型糖尿病に対して保険適用となり、今年4月から2週間以上の長期処方が解禁された。だが、いずれにしても現在は糖尿病患者に対してのみの処方なので、糖尿病を合併していない肥満の人などには健康保険による処方はできない。しかし、自由診療で「痩せ薬」として使用するケースが相次ぎ、人気を集めている。それほどに痩身効果が高いのだ。 「まさに“夢の薬”だと思いますね」 と話すのは、牧田善二医師(AGE牧田クリニック院長)。 「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(米国医学誌)ではマンジャロ5ミリグラムの投与を持続することで、およそ8キログラムの体重減少と報告されています。日本人の治験では、投与52週時までの体重変化はマンジャロ5ミリグラム群でマイナス5.8キログラム、10ミリグラム群でマイナス8.5キログラムと報告されています。もっと投与量を増やすこともできますが、日本人は世界的にみれば痩せているほうですから、当クリニックでは5ミリグラム投与がほとんど。最大でも7.5ミリグラムまでの処方です」 つまり1年ほどマンジャロの注射を続ければ、簡単に6キログラム程度の減量ができるということだ。注射というと怖く感じるかもしれないが、見た目はインスリン注射(ペン型)と似ていて、あらかじめ針がセットされている。ペンの底を皮膚にあててボタンを押すだけという簡単方式だ。牧田医師によると「パチンと音はするものの、本当に打ったのかなというくらい、ほぼ無痛」という。