「フェロモン」「ロケット」「為替相場」……未来の社会を変える大学の面白いゼミ15選
7.文京学院大学:「ステマ」問題を考える
外国語学部というと語学を中心に学ぶイメージがありますが、文京学院大学外国語学部は、語学を使いこなして、社会で活躍できる人材を育てることを目標としています。 国際ビジネスコミュニケーション専攻の渡部吉昭教授のゼミでは、経営学の要素を取り入れた学びを展開しています。渡部教授は、外国為替専門銀行や外資系コンサルティング会社での勤務経験に加え、自ら会社を経営するなど、ビジネス経験が豊富です。就職活動でも、ビジネス世界で活躍する上でも主体性や計画力、ストレス耐性といった「社会人基礎力」が不可欠だと考え、ゼミでは「チームで課題解決に取り組み、大会で発表する」という活動を大事にしています。 3年生のグループが取り組んでいるテーマは、「ステルスマーケティング(ステマ)」です。ステマとは、広告であることを隠して商品やサービスを宣伝する行為のこと。学生も被害者になりうる身近な題材として、テーマに選びました。
8. 創価大学:仮設トイレの「悪臭」を解消
創価大学経営学部の安田賢憲教授が指導するゼミでは、企業と連携して仕事の現場を訪れて、問題に向き合いながら解決力を鍛えています。ビジネスモデルの知識や理論を学びながら、その活用能力と、ビジネスパーソンとして重要な課題解決力を磨くことを目的としています。 「チーム耀」が取り組んだのは、戸建て住宅の建設現場にある仮設トイレの悪臭問題です。ゼミ生たちは、協力企業を探すために何十社にも依頼しては断られましたが、それでも粘り強く交渉。協力企業が決まってからは、くみ取り現場への立ち会い、イベント会場に設置された仮設トイレでの実証実験を重ねていきました。
9.昭和女子大学:「感じる心」を数値化する心理学
昭和女子大学人間社会学部心理学科の池上真平准教授のゼミでは、認知心理学の領域を基本にさまざまな実験を通して、心をデータでとらえ、研究で得た結果を社会に生かすことを学んでいます。 研究テーマは、音楽、ダンス、ファッション、アートなど多岐にわたります。一見するとテーマはバラバラに見えますが、「根底に共通するのは『感性』」と池上准教授は言います。ユニークなところでは、お笑いをテーマにした学生もいます。ゼミ生の一人、川村真緒さん(4年)が卒論のテーマに選んだのは、舞台観劇における「見切れ」です。前の席に座る観客の頭部に遮られて起こる「見切れ」が、観劇時の心理にどんな影響を及ぼすのかを、実験を通して検証していくことを計画しています。