ベールを脱いだ虎の新守護神候補ケラーはスアレスの穴を埋めることができるのか?
阪神の新守護神候補であるカイル・ケラー投手(28)が15日、ペイペイドームで行われたソフトバンクとのオープン戦で無失点デビューを飾った。6回に2番手として登板。一死から中前打を打たれたが、得点は許さず自慢の落差のあるカーブで上林誠知(26)からは空振りの三振を奪った。ケラーは、2年連続セーブ王タイトルを獲得してメジャーに復帰したロベルト・スアレス(31)の代役を務めることができるのか。なおゲームは新4番の佐藤輝明(23)にオープン戦1号が出るなどして3-3の引き分けに終わった。
落差のあるカーブで上林から三振
矢野阪神の命運を握る新外国人がベールを脱いだ。6日に来日し、12日にシート打撃登板したケラーは自ら志願して福岡遠征への帯同を申し出たという。 5番の栗原から始まる6回にマウンドに上がった。その第1球は147キロが表示された内角へのストレート。栗原陵矢は狙ってきたが、1m93の長身から投げおろす角度に加え表示以上の威力があったのだろう。ドン詰まりのライトフライ。 続く中村晃には、この日の最速となる148キロのストレートから入り、2球目に自慢の縦割れのカーブでカウントを取った。2-1から外角ストレートをセンター前へと弾き返されたが、芯で捉えられた打球ではなかった。走者を置き、来日してから積極的に取り組んでいるクイックモーションになっても球威は変わらない。打席のリチャードに対して梅野は外角を要求。ストレートは逆球になったが、先制3ランを放っていたリチャードは少し差し込まれ、レフトは定位置後ろでキャッチした。 圧巻は上林との対戦だ。ファウルで粘られたが、カウント2-2から、121キロの落差のあるカーブを落とすと上林のバットはかすりもしなかった。独特の角度と昔の“ドロップ”のような落差があるため初見では対応が難しいのかもしれない。昨年パイレーツでのカーブの空振り率は34.7%もあったが、そのウイニングショットのデータはダテではなかった。 ケラーは登板を終えると審判と何やら会話を交わしていた。研究熱心で日本野球へ対応しようと心掛ける姿勢も買える。異国で成功するための条件を兼ね備えた右腕だ。