史上最年少の全米女子OP制覇なるか…笹生優花が首位に1打差2位で最終日へ「ラウンドをエンジョイします」
ハワイで開催された同第3週のロッテ選手権では16アンダーで単独トップに立ちながら、最終的に28アンダーで優勝したリディア・コ(24・オーストラリア)と最終組で回った3日目に、スコアをひとつしか伸ばせずに失速している。 しかし、2019年大会の覇者、イ・ジョンウン6(25・韓国)と最終組を回った自身3度目の全米女子オープンで、笹生はこれまでとは違ったプレーぶりを見せつけた。 過去に男子の全米オープンが5度開催され、そのうち3度の優勝スコアがイーブンパー以上という屈指の難コースは晴れわたったカリフォルニアの太陽と、さらに時間の経過とともに強まった風の影響でグリーンがさらに高速化していた。 アンダーパーで回った選手が初日の15人から2日目の11人をへて、3日目はトンプソンを含めてわずか6人に激減した推移が、イコール、難易度が一気に上がった証となる。そのなかでより注目される状況でラウンドしながら、一時はスコアを8アンダーにまで伸ばし、2位に3打差をつけて首位を快走した笹生は全米中を驚かせた。 豪快かつパワフルなティショットだけではない。深いラフに入れてもパワーをフル稼働させたアイアンショットでグリーンに乗せたかと思えば、ガードバンカーからピンそばにつけるなど、絶妙のサンドセーブを2度成功させたテクニックも輝きを放った。 ホールアウト後に自身が課題にあげたパット数も「28」で、今大会を通じて初めてノーボギーでラウンドしたトンプソンの「27」と実は遜色ない。それでも大会後の20日に20歳になる笹生は、こんな言葉を残してコースを後にした。 「これからパッティングを練習して、(明日へ向けて)ゆっくり休みます」 スコアを崩す傾向が強かった3日目をイーブンパーでしのいだ要因は、これまでの悔しさを糧にしながら、メンタル面が成長してきたからに他ならない。そして“鬼門”をクリアしたいま、笹生は歴史を塗り替える挑戦権を手にした。 笹生が優勝すれば19歳351日での勝利となり、2008年大会で朴仁妃(韓国)が作った大会歴代最年少記録をわずか2日ながら更新する。さらに注目度が増す状況にも、英語によるインタビューを介して、笹生は自分のモットーを繰り返すのみと誓った。 「自分にできることをやる。冷静にプレーする。そして、ラウンドをエンジョイします」 注目の最終日のスタートは日本時間7日午前2時35分。トンプソン、通算3アンダーで3位タイにつけるアマチュアのメーガ・ガン(17・アメリカ)と回る運命の最終組へ、日本のフィリピンの二重国籍を持つホープは地元サンフランシスコ在住の日本人だけでなく、母が生まれたフィリピンの人々の応援を受けながら静かに闘志を高めていく。