ダイヤモンドの安全・安心ってなに? 日本ブランドが挑む「Mine to Mine」
連載《SDGsの「今」》
SDGs(持続可能な開発目標)をめぐるラグジュアリー界の最前線をご紹介する連載企画。本記事では、日本発のエシカル(環境や社会の持続可能性に配慮した倫理的な)ダイヤモンドブランドの先駆け、「SA BIRTH(サバース)」の取り組みをご紹介する。 【写真はこちら】ダイヤの原石からペンダントまで…もっと写真を見る サザンアフリカ(アフリカ大陸南部)産の最高品質のダイヤモンドにこだわるサバース(東京・港)。サザンアフリカ地域の現地大手ファクトリーと提携して独自の原石調達ルートを開拓。現地の提携ファクトリーでカットと研磨の工程まで済ませた後、日本でデザインとジュエリー制作を手がける生産プロセスを貫く。世界の名だたるジュエラーに先んじて、2006年のブランド創設当初より、ダイヤモンド原石からの来歴とトレーサビリティー(生産履歴の追跡)を管理してきたパイオニアだ。 サバースの親会社は、日本を代表するダイヤモンドエキスパートとして100年以上の歴史をもつ内原グループ(東京・港)。「SDGs」という言葉の認知度が高まるよりもずっと早い時期から尽力してきた、日本企業によるサステナブル(持続可能)な活動の歩みを、サバース常務取締役・浦田純子さんのコメントと併せてお届けしよう。
【この方に聞きました】
サバース常務取締役、浦田純子さん(うらた・じゅんこ) 大阪生まれ。関西学院大学卒業後、内原入社。内原グループが展開する自社ブランド、サバースのローンチに携わり、2008年よりブランドマネージャーとして経験を積む。2018年より現職。ブランド運営に邁進(まいしん)し、ダイヤモンド鉱山と提携工場のあるサザンアフリカの地へ足を運ぶことも。
■ダイヤモンドブランドとして生産背景まで美しく
南アフリカ、ボツワナ、レソト。ダイヤモンドの聖地として名高い、サザンアフリカ地域の良質な鉱山で責任を持って採掘された最高級ダイヤモンドのみを扱うサバース。 そのはじまりは、ハイクオリティー(高品質)とサステナビリティー(持続可能性)という2つの概念を両立するジュエラーの前例がなかった約20年前にさかのぼる。2003年頃から、エシカル&サステナブルな価値観を根幹に組み込んだ、クリーンでトレーサブルな生産背景をもつブランドの創設を準備していたという。それこそ世界に先駆けたチャレンジそのものだった。