なぜ神戸は浦和を退団したDF槙野智章を求め、彼は多くのオファーの中からヴィッセルを新天地に選んだのか
J1のヴィッセル神戸は24日、10年間所属してきた浦和レッズを今シーズン限りで退団した、元日本代表DF槙野智章(34)の加入が決まったと発表した。 今シーズンのJ1リーグ戦でクラブ史上最高の3位へ躍進した神戸だが、守備陣の柱を担ってきたベルギー代表トーマス・フェルマーレン(36)が退団。センターバックの補強が急務となった状況で、J1リーグ戦で通算399試合に出場し、日本代表としても2018年のロシアワールドカップの舞台に立った経験豊富な槙野に白羽の矢を立てた。 世代交代の過渡期にある浦和を契約満了で退団した槙野だが、今シーズンも公式戦47試合に出場。19日の天皇杯決勝では浦和を頂点に導く劇的なゴールを決めたベテランは、神戸を通じて「新しい挑戦ができることにワクワクしています」とコメントするなど、国内の戦いに加えてACLにも挑む来シーズンへ早くも闘志を燃やしている。
「新しい挑戦にワクワク」
後半アディショナルタイムに劇的な決勝ゴールを決めて、天皇杯制覇を置き土産に浦和のユニフォームを脱いでから5日。槙野の新天地が神戸に決まった。 10年間も所属し、愛してやまないと公言していた浦和から11月5日に、来シーズンの契約を更新しないと通告された。槙野にとっては青天の霹靂だった。 突如として移籍か、あるいは引退かの二者択一となったサッカー人生の岐路を前にして平静を保てなかったのだろう。埼玉スタジアムで同27日に行われた退団セレモニーでは「まだ決めていない」と、涙ながらに複雑な胸中を吐露していた。 しかし、神戸への加入が発表された24日にチームを通して発表されたコメントは、早くも全開になっている槙野のモチベーションであふれ返っていた。 「新しい挑戦ができることにワクワクしています。Jリーグ、そしてアジアでナンバーワンになれる力を持っているチームだと思っています。そのなかで自分の役割、力を最大限落とし込み、精一杯ヴィッセル神戸のために闘いたいと思います」