子どもを理不尽に怒ってしまい後悔…小児精神科医と考える、ストレスを抱えない親子のコミュニケーションの取り方とは
母娘関係やSNSとの付き合い方、いじめ、ダイエット…女の子を育てるとき、どのように接するべきか、迷う場面も多いのではないでしょうか。5歳の女の子を育てるエッセイストの犬山紙子さんは「娘を女性であることの痛みからどうにか守りたい」と強く考えたそう。そこで今回は、犬山さんが女の子を育てるときの“どうしよう”を専門家と考えた著書『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』から、アメリカ在住で小児精神科医の内田舞さんとの対談を一部お届けします。 【書影】女の子を育てるうえで大切にしたいことを、専門家と考える。犬山紙子『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』 * * * * * * * ◆子どもに怒鳴ってしまった、怒りすぎてしまった、その後 犬山 保護者が子どもを傷つけてしまったときのことが知りたいです。これは、悩んでる方も多いのかなと思います。 余裕がなくて、子どもを強く怒鳴ってしまったり、怒らなくていい場面で強く怒ってしまったり。 私も、理不尽に怒ってしまうことがあります。もちろん理不尽に怒らないようにするのが大切だとは思いつつ、そのあとに子どもとどう接するのがいいのでしょうか。 内田 わかります。私も怒鳴ってしまうことがあります。やっぱり謝ること、そしてそれだけではなく、保護者自身の心理を説明することが重要だと思います。
◆子どもの理解と協力 内田 以前、子どもが習っていた公文に出かける時間になっても、長男がまだ車に座っておらず、私は怒ってしまいました。息子はその直前に急いで課題を2つ終わらせていたのですが、それをほめることなく怒ってしまったことを後悔しました。 その30秒後、私は息子に謝り、「ママね、うちはいつも公文に遅れているから、計画的にやらなきゃって思っていたの。先生にだらしないうちだと思われるのが恥ずかしいし。それで、早く行かなきゃって思ったの。でも、あなたがうちを出るのが30秒遅かったとしても、もうすでに遅れてるわけだからそんなに変わらないよね。なのに、ママ、焦ってるときに怒っちゃうことが多いんだよね。ごめんね。ママはあなたがしっかり課題をやったの、えらいと思ってるよ。よく頑張ったね」と言いました。 そのとき、7歳の長男は非常に成熟した反応をしました。彼は「僕もそういうときあるよ」と言い、機嫌が悪いときに意地悪な言い方をしてしまうことがあると共感をしてくれたのです。 私たちは、急いでいるときにはとくに不機嫌になりがちですが、そのような状況を子どもが理解し、協力してくれることを望んでいます。 この日の出来事から、子どもに「急いでいるときには協力してね」とお願いすると、息子も快くうなずいてくれたことで、親子のコミュニケーションが深まりました。
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