年末ボクシング5大世界戦。本当に見るべき試合はどれ?
年末恒例のボクシングの世界戦は5試合ある。 例年、大阪、名古屋、東京と3都市に跨って開催されてきたが、大阪の井岡一翔(井岡)が引退騒動でWBA世界フライ級王座を返上、“名古屋のスター”田中恒成(畑中)もWBO世界ライトフライ級王座を返上したため年末決戦は、東京、横浜の関東圏一極の開催となった。今日30日は横浜文化体育館で、WBO世界スーパーフライ級王者、井上尚弥(大橋)とWBC世界ライトフライ級王者、拳四朗(BBM)のダブル世界戦。明日31日は大田区総合体育館でWBA世界ライトフライ級王者、田口良一(ワタナベ)対IBF世界同級王者、ミラン・メリンド(フィリピン)の統一戦をメインに、WBO世界フライ級王者、木村翔(青木)対元WBC同級王者で現1位、五十嵐俊幸(帝拳)の日本人対決、IBF世界ミニマム級王者、京口紘人(ワタナベ)の初防衛戦のトリプル世界戦が開催される。さて紆余曲折の上マッチメイクされた5試合の世界戦のどれが一番面白いのか、本当に見るべきカードはどれなのか。 元WBA世界sフライ級王者、飯田覚士氏とボクシング談義をしていて「見たいカードナンバーワン」で一致したのは、木村―五十嵐の日本人対決だ。どちらが勝つのかの興味と、その勝敗予想の難易度で言えば、2人の知名度は別にして、この指名試合だろう。 「いろんなパターンの展開が考えられる。五十嵐がサウスポーの長所を生かして距離をキープして確実にポイントアウトしていくのか。それとも木村がその中へ突っ込んでいけるのか。五十嵐はどう止めるのか。試合の攻防パターンが読みにくい」と、飯田氏。 五十嵐のさばきvs木村の突進と連打、という構図でペースの握り合いだ。 飯田氏の予想は「木村の勢いが勝るのではないか」というもの。 木村は、4年前のWBC世界フライ級タイトルマッチで五十嵐のスタイルを破壊してベルトを奪った八重樫東(大橋)の試合ビデオを何度も見て参考にしている。 その当事者の八重樫に話を聞いたが、「僕と五十嵐の試合なんかではなく、張正九対イラリオ・サパタの試合を見るべき。五十嵐のようなサウスポーのアウトボクサーに対する追い方、入り方、中に入ってからどうするかが参考になる」という。