年末ボクシング5大世界戦。本当に見るべき試合はどれ?
試合の重みで言えばWBA世界ライトフライ級王者、田口が挑む統一戦だろう。国内で行われる統一戦は、史上3試合目。ビッグマッチだ。メリンドは、この5月に八重樫を衝撃の1ラウンドTKOで倒してベルトを腰に巻いた37勝(13KO)2敗のベテラン。“激闘王”を葬ったワンツーだけでなく、アッパー、フックとパンチは多彩。好戦的で統一戦にふさわしい試合になることは間違いない。 今年引退したジムの大先輩であるWBA世界フェザー級王者の内山高志は、「田口が判定或いはTKOで勝つと思う。田口はジムの中でも若手を引っ張るようなリーダーシップが出てきている」と予想を立てる。 これがV’7戦となる田口自身は、「みんなが期待するカードで、強いチャンピオンと打ち合って勝ちたい」と語っているが、課題でもある序盤にエンジンがかからなければ、いつのまにか、メリンドにペースを握られているという試合にもなりかねない。この試合の予想も難解だ。 トップレベルのボクサーの圧倒的な強さと技術力を目撃するのならば、井上尚弥だろう。調印式ではプエルトリコから来たWB0の立会人が「井上の名が世界で認識された」と語り、米国で権威あるリング誌が最新パウンドフォーパウンドの7位にリストアップした。1位はミドル級の統一王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)という錚々たる面子にINOUEの名前が入った。この試合を最後にバンタム級に転向する考えで スーパーフライの井上尚弥は見納めになる。いかんせん相手の同級6位、ヨアン・ボワイヨ(フランス)が格下すぎるので、結果に対するドキドキ感は持てないが、見るべき試合だ。 「井上らしいボクシングをお見せしたい」 井上尚弥が言う“らしさ”とは打たせずに打つ完璧なボクシング。今回、そのディフェンス技術をさらに磨いたようだが、魅力は一気に畳み掛ける圧倒的な攻撃力だ。過去にガードの上から殴ってKOするという規格外のパンチ力を披露したことがあるが、この試合でも圧倒的な実力差を見せつけなればならないだろう。