全国のヴィレッジヴァンガード300店舗をまわり“恩返し”する男性。「僕はヴィレヴァンに救われた」と語るワケは
店員さんの個性や人柄が、店内のポップから滲み出る
ヴィレ全「本店がある愛知県の店舗ばかり紹介してしまいましたが、山口県の山口店もおすすめです。山口店は路面店で、本店や岡崎店に似たテイストがあります。 ここも倉庫のような店内で、子ども時代のヴィレヴァンに戻ってきたような気持ちになります。山口店は置かれている本の数が圧倒的に多く、ポップが作者ごとにとても丁寧に書かれています。本好きで誠実そうな店員さんの人柄が、ポップから滲み出ていますね」 ――ヴレヴァンのポップには店員さんの個性が出ていますよね。 ヴィレ全「また、三重県のイオンモール津南のヴィレヴァンも良いですよ。手書きのポップが驚くほどド派手で、クオリティも高いんです。きっと店員さんにすごくおもしろい方がいるんだろうな、と感じながらポップを見ています」
「僕はヴィレヴァンに救われた」自分を受け入れてもらえる安心感
――ヴィレ全さんは全国のヴィレヴァンをまわったり、株主総会で質問や意見を投げかけたりしていますが、なぜそこまでヴィレヴァンに愛があるのでしょうか。 ヴィレ全「ヴィレヴァンのお店も好きだし、置いてある商品も好きです。そして、僕自身が子どもの頃にヴィレヴァンと出会って救われたという思いがあります。田舎の出身なので、情報があまり入ってこない中で鬱屈(うっくつ)とした日々を送っていました。そんな中でヴィレヴァンは僕の好きなものに目覚めさせてくれたお店です」 ――世の中にあるおもしろいものを教えてくれたお店だったんですね。 ヴィレ全「メインカルチャーになじめない中、15~16歳のときに近所のイオンにヴィレヴァンが入ったんです。そこで僕は初めてサブカルと出会いました。自分が好きなものがそこにあって、自分を受け入れてもらえる安心感がありました。初めて自分の好きなものに巡り合い、知らない世界と出会う喜びを感じ、自分は自分でいていいんだと思えたんです。ヴィレヴァンに自分を肯定してもらえた。 あの頃の僕は、本当にヴィレヴァンに救われていました。全国をまわって店舗の様子を発信しているのは、恩返しの気持ちもあります。一人で鬱屈としていた自分を救ってくれたヴィレヴァンに、少しでも何かできればいいなという思いです」