柳井社長が語るファストリの現在と未来 2人の息子の役割や対「シーイン」にも言及
柳井:スピードという点では学ぶことはできるんですけど、あんなものは誰でもできますよね。誰でもできることで、国際的な基準とか水準とか倫理からいけば、言ってはなんですけど、ちょっとやっぱり、法にもとるんじゃないかなって私は考えています。ですので、長続きしない(と思う)。やっぱり1点ずつ個人で届ければ税金がかからない。そういうことはある意味ではグレーですよね、これ。ですから、私はあまり気にしていませんし、あんな簡単に商品を作っていいのかどうか。資源の無駄遣いじゃないかなっていう風に考えてますけど。
ーー塚越さんがユニクロ社長兼COOに就任してからここまでの通信簿というか、評価は?
柳井:まあ、評価は自分で決めた方がいいんじゃないかなと思いますし(笑)。まあまあ、なんじゃないかなっていう。点とか、そんなんつけてもしょうがないですよね、これ。できるかどうかの問題。それだけです。
ーー今のところはもちろん、合格ということ?
柳井:いや、まあ、(なかなか良く)やってるんじゃないかなっていう、そういう風に思います。
ーー人材に投資が必要で、少数精鋭で報酬で成果に報いていくというが、 全体に対する賃上げの考え方は?
柳井:これは他の会社と違うんじゃないかなと思うんですけどね。ベースアップみたいなことは考えてません。 やっぱり1人ずつが正当に評価されて、公正に評価されることが必要なんじゃないかなと思いますし。それよりも、日本がこの30年間、報酬がアップしていない、しかも円安になってる。こういう現実をもっと自覚して危機感持って仕事をしないと日本人はいけないんじゃないかと思います。各国に比べると圧倒的に低いですからね。だから、昨年40%アップみたいなこと言ったんですけど、あれは一律40%アップじゃなしに、倍とか3倍ぐらいになる人もいれば、そのまま据え置きの人もいる。個人個人、やっぱり評価して適正に公平に判断するっていうことが必要なんじゃないかなと思いますし、その人がチームプレイヤーとしてできるかどうかっていうことと、個人の才能とか能力とか、その辺りをやっぱり的確に判断する。だから評価がすごく大事だと思いますし、評価せずに一律何%アップということ自体、ちょっとおかしいんじゃないかなっていう風に思いますけど。