柳井社長が語るファストリの現在と未来 2人の息子の役割や対「シーイン」にも言及
ーー感触はあるということだが、ナンバーワンになるという方はどうか?
柳井:両方ともですよね。私は行けるところまで行こうということを考えているんで。行けるとこまで行くっていうのは、多分10兆円超えても行けるとこまで行こうっていう風に考えていて、それをやろうっていう風に考えています。
ーー毎年5000億円ずつ積み上げていけばという話があったが、一方で現実的な目線として、例えば今回の計画では3000億円ぐらいずつ積み増すことを目指している。大きく売り上げを増やしていく部分と、まだそこまで達してない部分があるとすると、どういうところを埋めていけばさらに大きな拡大が目指せると見ているのか?
柳井:やっぱり人材。当然なんですけど、グローバルだけでは経営できない。ローカルだけでも経営なんてできない。世界はつながっているわけですよ。ですから、グローバルのことも理解しながら、ローカルの市場に合わせて、もっと言ったら、1店舗ずつの個店経営(をする)。服の場合は、色とサイズが全部違いますから、SKU経営。そういったことが必要なんじゃないか。それが充足できれば。そういった技術というのはもうすでに開発されているが、でも、それを全部つなげないといけないんですね、当然のことながら。だから、そういう風なエンド・トゥー・エンドでできる人。これ、デジタルの世界でもそうですけど、感性の世界でもそうですよ。結局、数学の世界と感性の世界は、到達点は、いかにお客様の生活にプラスになるか、 社会にとってプラスになるか。そういうところに尽きるんじゃないかなと思うので、そういうことができる人材、および、そういうチーム、 それを各地で作っていかないといけないんじゃないかなという風に思います。
ーーこれからのファーストリテイリングとユニクロの経営の体制について。人材投資の重要性や、経営の継承が進んでいること、一海さん、康治さんの発言の重要性についても触れ、今後5兆円、あるいは10兆円、さらにその先に行けるところまで行くという。今、ファーストリテイリングで柳井会長が担っている部分を一海さんと康治さんが担い、現場のユニクロの事業の運営、成長、あるいは「ジーユー」「プラステ(PLST)」といったブランドの部分に関しては、塚越さんのように現場でその仕事を学び成長してきた人材が経営する。そういった体制をお考えなのか?