柳井社長が語るファストリの現在と未来 2人の息子の役割や対「シーイン」にも言及
柳井:(一海氏、康治氏、塚越氏)および、そのチーム、ですね。継承に関しては、世界で最近成長しているところを見れば、やっぱり情報産業ですよね。デジタルですよね。ただし、これは時代の先駆けですよ。本来は全作業がそういう風になる。我々は偶然なのか必然なのか、繊維産業、あるいは小売業。小売業であるし、製造業であるしで、工場とか物流まで全部やらないといけないと思います。だからそれをエンド・トゥー・エンドで(やらなければならない)。でね、2人の息子に言っていることは、経営者にしないよと言っています。ガバナンスをやってもらえればもう十分だと思う。で、ファーストリテイリングにしてもユニクロにしても、やっぱり一般社員が最終的に社長になれるっていうことが必要だっていう風に思うし、これは持ち株会社じゃなくても、なんであってもそういうことなんじゃないかなと考えています。ですから、普通のように、持ち株会社は創業家で、他の会社、事業会社は一般社員からっていうことは考えていません。その辺、誤解しないようにお願いしたい。
ーーグループの売上げが初めて3兆円を突破したが、ジーユーも3000億円を突破し、一つの画期的なポイントになった。今後のポテンシャルと成長スピードについてどう考えるか。また、「ジーユー」のニューヨーク店の感想もお願いしたい。
柳井:僕もニューヨークの店、見てないんですけど。いや、もう3000億円どころじゃない。僕はね、常々(柚木治ジーユー)社長に言ってるんですよ。ユニクロの半分をプレゼントした、ということなんで、少なくとも3兆円ぐらいはできるんじゃないかなと思ってるんで。なんか本人(柚木社長)は1兆円って言ってますけど、ちょっと1兆円と3兆円と間違えているんじゃないかなっていうのが、僕のね、本心と言いますか、お願いしたいことですよね。
ーー業界を見ると、「シーイン」や「TEMU」のような、超ウルトラファストファッションと言うようなデジタルを軸にした新しいビジネスモデルの急成長企業が出てきている。そこに対する脅威や影響、逆に学ぶことは?