とっとと出ていきな!クリスマスイブに押しかけてきた〈食い尽くし系〉の兄に〈82歳母〉ついに爆発…そのうち〈夫婦の財産1億3,000万円〉も食い尽くされるかもと52歳男性が怯えるワケ【相続の専門家が解説】
夫婦間の相続から、浪費家の兄を排除するにはどうしたらいいのでしょうか。本記事では、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が事例をまじえて、できる対策について詳しく解説します。 年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
借金の肩代わり。遺留分も放棄させた!
和也さん(55歳・男性)が相談に来られました。和也さんの兄は2歳上で結婚して子供もいますが、その兄のことで困っているといいます。兄は若いころから浪費癖があり、自分のお給料だけでは足りなくなり、親に何度もお金を無心していることを聞いていました。 それだけでなく、消費者ローンで借金をしては返せなくなり、親に請求書が届いて肩代わりすることもありました。そのため、父親は長男である兄に対し、「消費者ローンを返済してやるが、相続のときには渡せるものはない。勘当だ!」と申し渡してきました。父親は兄に対し、家庭裁判所へ遺留分放棄の手続きもさせていました。
兄の浪費癖が治らない
父親は遺言書を作成していて、自宅は同居する次男の和也さんが相続することになっています。兄は父親の財産に対して遺留分放棄もしていますので、大きな問題はなく、手続きはできそうです。 しかし、こうした状況でも兄はお金に困ると母親に泣きついていることを82歳の母親から聞いています。母親は年金や自分の預金から少しずつ渡しているようで、いつまでたっても兄の浪費癖が治らないので、和也さんは困っているといいます。 そしてついに去年のクリスマスイブの夜に兄一家から大迷惑をかけられる事態が発生したのです。去年の12月24日、和也さん夫婦が両親も交えてクリスマスイブの夕食を楽しんでいたところ、勘当された兄一家が家族総出で押しかけてきたのです。 手ぶらで来た兄一家はテーブルの上のご馳走やケーキをまたたく間に食い尽くしていきました。和也さん夫婦と両親は呆気にとられるばかり。兄の妻も高校3年生になる兄の子どもも一緒になって飲み食いする姿を見て、和也さんは「兄貴は実家にいた頃から食い尽くし系だったけれど、今もそうなんだな」とどこか冷静でその光景を見ていたそうです。 しかし、最後にシャンパン1本を飲み干してヘラヘラ笑い「メリークリスマス!」と言った兄に、今までお金をせびられてきた母親がついに爆発。「うちはクリスチャンになった覚えはないよ!とっとと出ていきな」と塩をまきながら兄一家を家から追い出すという修羅場がありました。 というわけで、兄一家は完全に出禁状態になったのですが、何をしでかすかわからない兄に和也さんも妻も怯えており、相談に来たというわけです。