【大草直子さんの提言vol.2】艶のある素材とドライな素材のミックスで、着こなしは立体的になります
肌と髪も、着こなしの素材の一部
目の前の人が着ている服。色、デザインは真っ先に目に入ってきますが、実は後で思い出すのは、その人が身に着けていた素材だったりします。 ナチュラルなヘビーリネンはイタリアンマダムのような迫力があって、とろんと流れるシルクは、やっぱり色っぽい。それは、長く人の記憶にステイします。そう、素材は、着ている自分だけではなく、実は、着こなしが伝える情報としても、とても重要なのです。 だとすると、全身の中で多くの面積を占める肌と髪もカラーやフォルムだけでなく、素材感を意識してコーディネートすると、より、おしゃれはクリアで確かなものになるのではないでしょうか。肌と髪の素材感って? 何だか難しい? いやいや、とても簡単なんです。目指すのは、ヴェールをまとったようなフォギーか、艶のあるウェットか。 例えば、洗いざらしのデニムのワンピースを着るとき、肌と髪はどうする? 私なら、顔の肌、デコルテはたっぷり保湿をして、ハイライターを使って艶やかにします。髪はオイルやワックスでセミマットに。乾いたデニムが、うるっとした肌と髪があることで、大人のラグジュアリーカジュアルになります。 対して、元々艶のあるシルクのブラウスのときは、パウダーを丁寧にはたいて、マットでよそゆきの肌に。髪も、オイルを使いすぎるとトゥーマッチなので、はらりと束感をうまく出した質感に。 こんなふうに、服の素材と対比させて考えてみると良いでしょう。例えば、最近コットンのTシャツが似合わなくなったな、と感じたら、肌や髪の艶が足りなかったのかも、と、意識するだけで良いと思います。 ハイライターでオススメは、THREEの「シマリング グローデュオ」。顔にも首、デコルテにも使います。パウダーはまさにフォギー感が出るSUQQUの「スックザ ルース パウダー」。ワックスは、私はウカの「ヘアワックス グロッシーニュアンス」一択。オイルはダヴィネスの「オーセンティック オイル」が使いやすいです。 ※本稿は『見て 触って 向き合って』(マガジンハウス)からより一部を抜粋・編集したものです。