石浦宏明(No.38 KeePer CERUMO GR Supra)「予選では、水煙で前が見えなくても全力でずっとプッシュし続けた」 | SUPER GT 2024 第8戦 モビリティリゾートもてぎ【SUPER GTあの瞬間】
── 36号車と勝負がしたい……だからこそ、36号車よりも早いピットインという形だったのですね。
石浦:そうです。もてぎは本当にオーバーテイクが難しいですし、アンダーカットが結構有効なサーキットなので、毎年“(ピットに)早く入る合戦”になりやすいんです。とはいえ、自分たちの好きなタイミングで入れるかというとそういうわけでもない。前後のピット位置のクルマのタイミングと重なると入れなくなっちゃうので、例えば、隣にいるGT300クラスのクルマともやり取りしながら入れるタイミングを探さなきゃいけないんです。ミニマム(22周終わり)の周回で入ったんですけど、その途中、『やっぱりステイアウト!』と無線で叫ばれて……。『わかった、わかった。ステイアウトするね』って、ヘアピンを立ち上がったんです。おそらく隣のピットのクルマだと思うんですが、ちょうど僕が90度コーナー立ち上がるころにそのクルマがピットから出ていったみたいで、ピット前がクリアになったので、(無線で)『やっぱりBOX(ピットイン)!』と言われて(苦笑)。ギリギリのタイミングで間に合って、予定通りの周回で入れたっていう感じなんです。お客様から見ると、いろんなタイミングでクルマが(ピットに)入ってきているので、好きなタイミングで狙った通りに入ってきてると思われるかもしれないですけど、実は横のピットの人たちといろんな打ち合わせをしながら、誰かが急に『やっぱりピットに入れる』とか言うと、その隣のピットが影響を受けて、また隣のピットが影響を受けて……という感じになって。並んでピットに入ると、もう(クリアにピットを)出られなくなっちゃう。レース中にそういう“駆け引き”が結構行なわれてたりするので、ウチはなるべく早く入りたかったんです。なのでうまく調整がついて、狙っていた周で入れて良かったという感じです。
── てっきり、予定通り、戦略通りうまくやったと思っていました。もてぎならではの、“ピットインあるある”があったとは!