石浦宏明(No.38 KeePer CERUMO GR Supra)「予選では、水煙で前が見えなくても全力でずっとプッシュし続けた」 | SUPER GT 2024 第8戦 モビリティリゾートもてぎ【SUPER GTあの瞬間】
石浦:レース序盤から64号車(Modulo CIVIC TYPE R-GT)と8号車、36号車(au TOM’S GR Supra)、そして自分(38号車)と、同じようなペースではあったものの、36号車と自分のほうが少し余力があるかも、となんとなく感じていました。スティント後半になるとそれぞれタイヤ(のパフォーマンス)も落ちてくるわけですが、ペースが落ちてきたときに、それぞれ(のクルマ)がどういうペースになるか次第で、そこから本当の“よーいドン”(競争)が始まるかという雰囲気でした。
そのなかでFCY(フルコースイエロー)明けでうまく(36号車の)坪井(翔)選手がシビック勢をパスしていったのを見て、『これは自分も続かないと』と。やっぱり36号車と勝負したいと思ってたので、ちょっとまずいぞと。逃げられちゃうかも、というのがあって、シビック勢をオーバーテイクしたいと思っていたところ、14周目あたりからシビック勢のペースがさらに落ちて、うしろから39号車(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)はじめ、急激に集団でみんな迫ってきました。自分がこの集団の前にいるシビックを抜いていくのか、うしろの集団に飲まれてしまうかで、結果を大きく左右することもわかっていたし、レースでチャンスを作るのは今しかないと思い、そこで、自分がセクター3が速いことはなんとなくわかってたので、V字からヘアピンにかけて差を詰めて90度コーナーでオーバーテイクするというチャンスをうまく2周続けて作ることができました。
そこまでの流れはすごい良かったんですが、ただ、前に出たあとは思いの外、36号車がもう見えないぐらい離れてしまって……。これは必死で追いかけなきゃと思ったんですが、想像してたよりは自分のペースが上げられなかったというか。うしろとはペースが違ったんで離すことができたんですが、タイヤに少しピックアップもついたし、想像していたよりもちょっとスパートできないなっていう感覚もありましたね。ただその時点で、大湯選手が担当する後半、もしかしたら少しツラくなるのかなと想像できたので、チームと無線でやり取りして、予定通り早めのタイミングでピットに向かい、『あとは大湯、頼むぞ!』みたいな感じでした。