パリ五輪・卓球女子団体、打倒中国の秘策で悲願の金メダルが見えた!!
■ダブルスで早田を起用! 日本チームの団体戦において鍵を握るのはダブルス。第2シードで中国とは決勝まで当たらない組み合わせの女子にとって、金メダル獲得に向けての最大のテーマだ。 先に述べたように、中国は孫穎莎をシングルスに専念させて2勝を狙ってくることが予想されるため、ダブルスにおいては陳夢と王曼昱のペアが濃厚。このふたりは前回の東京五輪でも決勝で石川、平野ペアの前に立ちはだかり、日本は敗戦した。 それ以降の国際大会でもペアを組んできており、世界ランキングでも7月23日発表時点で首位に立っている。 今回の日本チームのメンバーでは平野、張本ペアが国内外の大会を戦ってきており、団体戦においてもダブルスの候補に入ってくる。 2月のメンバー確定後は「シンガポールスマッシュ」や「サウジスマッシュ」に参戦したが、共に1回戦で敗れており、パリでの本戦までにどのような連係の立て直しが図られたのかは注目したいところ。 一方で、今回唯一のサウスポーとしてメンバー入りしている早田は伊藤美誠とのダブルスで全日本選手権を5連覇し、世界卓球でもメダル獲得経験があるなど、ダブルスの名手でもある。今回のパリ五輪でも張本智和との混合ダブルスに出場しており、これまでの実績を考えてもダブルスの候補として計算できれば心強い。 平野、張本ともそれぞれペアを組んだ経験があり、中国が右・右のペアであることを考えても、左・右で組むことが可能な早田の起用は効果的だろう。 ただ、早田は混合ダブルス、女子シングルスに続いての団体戦への出場となり、自身初の五輪の舞台で連戦が続く中、準備面や体力的な部分が懸念として残る。〝最後の秘策〟として考えていいかもしれない。 卓球女子団体の1回戦は8月5日(月)から行なわれ、決勝は8月10日(土)の22時(日本時間)。激しい金メダル争いが予想される中、打倒中国へどのような布陣で挑むのか要注目だ。 取材・文/井本佳孝 写真/アフロ 時事通信社 JMPA