パリ五輪・卓球女子団体、打倒中国の秘策で悲願の金メダルが見えた!!
■王曼昱には張本で対抗! また、孫穎莎と同じくシングルス、団体戦に出場する陳夢は前回東京五輪のシングルス金メダリストであり、中国チームでは最年長の30歳と屋台骨を担う。 代表発表前最後の大会となった5月の「サウジスマッシュ」で優勝を飾りシングルスの出場権を獲得するなど、土壇場での粘りと勝負強さが光る。選手としても攻守において穴の少ない選手であり、厳しい局面での戦いにおいても最後は勝ち切ってしまうのがこの選手のスゴさである。 そんな陳夢に対しては、2月に世界卓球の決勝で勝利した早田の存在が鍵を握る。このときは、粘り強さが持ち味の陳夢に早田も粘りを見せて対抗した。 ラリーでは我慢の展開が続く中、押し返す場面も徐々に増え始め、最後はデュースを取り切って白星につなげた。このいいイメージのままパリで戦うことができれば、エースの早田を陳夢にぶつけるという手は十分に考えられるだろう。 そして、3人目は王曼昱。シングルスで世界ランキング2位の王曼昱は176㎝と高身長で守備範囲も広く、ラリーにおいて守備で粘りながらも、攻撃面でも機を見て前に出ることもできる。今大会はシングルスの出場は逃したものの、ランキングが示すように世界でも三本の指に入る選手であるのは間違いない。 王曼昱に対して日本勢は孫穎莎と同様に苦戦を強いられてきており、厳しい戦いが予想される中でも期待したいのが張本だ。銅メダルを獲得した4月の「ITTF男女ワールドカップ」の準決勝で王曼昱と対戦しており、敗れたものの2ゲームを奪い、2-4と激闘を演じた。 昨年から今年にかけて中国トップ選手との試合を多くこなし経験値を高めてきた張本だが、この試合では先に2ゲーム差をつけられた展開でもメンタル的に崩れずに、終始攻撃的な姿勢が目立った。普段は感情をあまり表に出さない王曼昱が勝利の瞬間、喜びを爆発させたのが張本の奮闘ぶりを物語っていた。 中国選手の特徴がある中で、パリに向かうまでの戦いを考えると、孫穎莎に平野、陳夢に早田、王曼昱に張本を起用できれば個人では拮抗した戦いにつなげられる可能性は十分にある。