世界のディビッド・ロックフェラーJr.夫妻が来日! 海にまつわる思いを緊急インタビュー
井植 海の恵みである、海産物についても二人に意見をお聞きしたいです。海産物の消費量や需要が増えるにつれて、私たちはどのように対処したら良いでしょうか? ディビッド 持続可能な漁業となるように天然魚を保護する方法はいくつもあると思います。世界的な技術向上と人口の増加により、海から一度にたくさんの魚を水揚げできるようになりました。 そこで、まずはどの魚の数が多く、どのくらいの数の漁獲であれば持続可能なのかを把握する必要があります。もちろん、魚の養殖も非常に注意深く行わなければなりません。動物と同じように、密閉された檻の中に入れると、病気が発生しやすくなる可能性があるので、細心の注意が必要です。 スーザン 持続可能の限度を超えないように漁業規制を政府が保証する、廃棄物となる漁獲を最小限に抑える、魚の生息地を保護することが重要です。「30by30」というワードに象徴されるように、2030年までに海洋の30%を海洋保護区にすることを目標とし、努力を続けています。
ディビッド もし、私が漁師であれば、生活のために多くの魚を獲りたいと思うでしょう。だからこそ、漁業法が重要であり、それに続く規制が大切なのです。 すべての漁業者が同じ規則を持つことで、少なくとも公平ではある。漁獲量を管理することで乱獲が防げれば、子や孫たちも漁を続けられる可能性が高まっていくはずです。 スーザン 脳の健康や発達に必要な栄養素の観点からも、魚が持つタンパク質は完璧であり、将来にわたって享受し続けたいものですよね。 井植 そこでは「国境を越えた取り組み」がキーワードだと思います。科学者と一緒に仕事をすることや、政府関係者との協力も効果的ですよね。私もSDGsの2030年というひとつのゴールに向けて、目標達成のスピードを加速させるために何をすべきかを考えています。 例えば、海洋における男女平等の問題など、他のテーマと組み合わせることで、より推進できるのではないかと実践しているところです。