高橋 巧選手 独占インタビュー「鈴鹿8耐、3連覇を達成したHRCファクトリーの真実:ライダー編」
レースタイヤでトップ10トライアル!?
ところで、今までトップ10トライアルには出場していなかった高橋選手なのに、2024年は出場している。 「正直いって(8耐では)予選はどうでもいいし、トップ10トライアルも走らなくていいのです。だから、昨年までは哲太、イケル(レクオーナ)やシャビ(ビエルヘ)に走ってもらっていた。今年は『何で走らないの? ラップタイムが出てるのに』って言われて……ザルコと哲平が走りたいというならそれでも良かったんです、ラップタイムでも同じぐらいでしたから」 「結局、僕が走ることになっても(予選用の)軟らかいタイヤを履かず、(決勝用の)硬いレースタイヤで行きました。哲平やザルコはタイムアタックする時などは軟らかいタイヤを履きましたが、僕は(軟らかいと)タイヤがつぶれ過ぎてマシンの姿勢が変わってしまうのが嫌だったんです。だからレースタイヤで走りました。あの時期はタイヤウォーマーを使えば、レースタイヤでも1ラップすれば暖まり、タイムは出せます」 ソフトタイヤ用のセットアップをすれば、よりラップタイムを出せることは高橋選手も承知していたが、決勝前にマシンの仕様を変えたくないのだ。トップ10トライアルには高橋選手とザルコ選手が出場し、高橋選手は2分05秒621、ザルコ選手は2分05秒553をマークして3番グリッドを獲得(ちなみに名越は予選で2分05秒980を出していた)。 レースタイヤでも高橋選手のいう通り、速いラップタイムは出せるのだ。ポールポジションはYARTヤマハで2分05秒130。トップ5に入っていれば良い、というチームの方針通りの結果だった。 「前後新品タイヤの時はガソリンも満タン。あくまで決勝と同じ条件で。それで8耐ウィークでは、自己ベストだったと思います」 ちなみに全日本JSB1000で高橋選手は、2019年11月9日のMFJグランプリ予選で2分03秒592のオールタイムラップレコードを出している。
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