なぜ天皇杯で“ジャイキリ”が続出したのか…順大がFC東京、Honda が横浜F・マリノスを撃破
前身の日本リーグ時代から本田技研として強豪の一角を担いながら、Jリーグへの参加を見送ってきた。それでも地元・浜松市に根づき、自前のスタジアムも持つHondaは今大会まで6年連続で天皇杯に出場。2019年大会では札幌、ディフェンディング王者の浦和レッズを撃破して堂々のベスト8に名を連ねている。 今大会でも1回戦でJ3のFC岐阜を破り、迎えた2回戦でマリノスをも飲み込んだ。技術や戦術の差を埋めてあまりある気迫に押され続けたからか。マリノスを率いるアンジェ・ポステコグルー監督は、Hondaの戦いぶりを称えるしかなかった。 「最終的には相手の勝とうという気持ちが強かった」 ルヴァンカップのプレーオフには進出していない仙台も、直近の公式戦から先発を8人入れ替えた末にJ3のいわてグルージャ盛岡(岩手県代表)に0-1で屈した。 連覇を目指す川崎フロンターレは2日の横浜FC戦からほとんどメンバーを入れ替えなかったものの、それでもJ3のAC長野パルセイロ(長野県代表)に敗退寸前まで追い込まれ、最後はPK戦の末に冷や汗ものの勝利を手にした。 新型コロナウイルス禍に見舞われた前回は大会形式が変更され、J1勢が川崎とガンバ大阪だけに、それも準決勝からの出場となった。2年ぶりに従来の形に戻った天皇杯は、J1勢が登場する2回戦からカップ戦におけるサッカーの醍醐味のひとつ、番狂わせの面白さを存分に伝えながら、16日に行われる2回戦の残り6試合へ余韻をつないでいく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)