「より良い広告体験を提供するのがエージェンシー、あるいは掲載メディアすべての責務だ」: オプト ソリューション営業本部兼広告戦略・コミュニケーション本部執行役員 堤洋祐 氏
デジタル市場の再考を促す、DIGIDAY[日本版]のインタビューシリーズ「REFRAME─デジタルの再考─」。今回は、株式会社オプトで広告戦略・コミュニケーション本部執行役員を務める堤洋祐氏に、今日におけるデジタル広告の課題を聞いた。 「より良い広告体験を提供するのがエージェンシー、あるいは掲載メディアすべての責務だ」: オプト ソリューション営業本部兼広告戦略・コミュニケーション本部執行役員 堤洋祐 氏 堤氏は「ブランディングを主体とした広告主とパフォーマンスを主体とした広告主では、定めたKPIによって大きく価値観が違う」としたうえで、「ニーズや課題感も違うため、一方的に片方の考えを押し付けても状況は変わらない」と分析する。 では、解決策はどこにあるのか? 「表面的なKPIに囚われていては、最終的に顧客の利益に繋がらない可能性もある」と説く同氏に、昨今のデジタル広告の現状とエージェンシー視点での課題の捉え方を聞いた。 ◆ ◆ ◆ 堤 洋祐/株式会社オプト ソリューション営業本部兼広告戦略・コミュニケーション本部執行役員。2007年㈱オプトに入社。金融業界を中心とした営業を経て、2012年に営業部長。その後、不動産・エンタメ・旅行業界の営業部長、ブランド領域の営業、クリエイティブ、コミュニケーションデザインの部長を経て2021年1月に営業統括領域の執行役員就任。2024年4月より現職。
──現在の日本市場におけるデジタル広告の課題を何だと考え、どう捉えているか?
前提として、プライバシーとデータ保護の観点がより注視されることになるだろう。7月22日にGoogleは「ChromeからサードパーティCookieを廃止することを断念した」と発表したが、プライバシー保護強化の流れは既定路線だ。一方で、AIの技術革新にも注目しなければいけない。我々が想像している以上のスピードで、クリエイティブの作成や広告配信、あるいは日々の業務にAIを活用するシーンが増えている。 「プライバシーとデータ保護」、そして「AI」。この2つのキーワードと表裏一体となっているのが、デジタル広告におけるアドフラウドやブランドセーフティの問題だ。広告の信頼性や透明性といった視点が今後より注目されていく。ことしはオリンピックや米国の大統領選挙など、大きなイベントが控えている。コンテンツが増えるタイミングで、広告詐欺やフェイクニュースなどが増えるのは間違いない。
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