有元葉子が30年間「ぞっこん」ほれ込んだ「オリーブオイル」が圧倒的においしい理由
透明なボトルは選んではいけない
今月11月26日に、料理家 有元葉子さんの『美味と健康を支える魅惑のオリーブオイルの世界 オリーブオイルがある暮らし』(有元葉子著 / 小学館)が出版される。 【写真】オリーブオイルは和食に合う!と有元さんが断言するレシピを公開 有元さんはこれまでも多くのレシピ本を出版し、オリーブオイルを使った料理をたくさん紹介されていたので、本を開くまでは、正直あまり新鮮味を感じなかった。 けれども本を開き、拝読し、その印象ががらりと変わった。 シンク下にサラダ油やごま油と並ぶオリーブオイルを、毎日のように使いながら、オリーブオイルについて何も知らなかったことを知ったから。 いいオリーブオイルの見分け方も、グリーンとイエローにどんな違いがあるのかも、透明なボトルに入ったものを選んではいけないということも、辛みや苦みの強さが品質にはあまり関係のないことも、この本で初めて知った。 そして、多くの油は「種子」から取るが、オリーブは「果実」から絞ったジュースであることも、あらためて認識したのだった。 本書にはこうある。 「生の実から搾ったオイルはオリーブオイルの他にはありません。オリーブオイルは正にオリーブの果実のフレッシュジュースです。 他の油は主に種から取り、加熱することで搾油ができるのです。他の油とはここで一線を画すわけです。 オリーブオイルは生のジュースだからこそ酸化させないためのコールドプレスを始めとする様々な手当てが必須となります。」 そして、「酸化させないためのコールドプレス」がいかに大変な作業になるか、有元さんはこう話してくれた。 「彼らは、オリーブの実を収穫したら、すぐに大きな冷蔵庫に入れて冷やして、その日のうちに絞り始めます。 絞るとどうしても熱を発する。熱がオイルを酸化させるので、どうやって冷やすかというと、ちゃんと熱を抑えられる設備があるんです。訊けば、目が飛び出すほど高い機械です。 でも彼らはそこに糸目はつけません。クオリティに直接かかわる大事なところだから。 投資に限った話だけでなく、機械が汚れても、オイルが酸化してしまうからと、搾油場は一日に何度もクリーニングしています。だから彼らの搾油場は隅々まで本当にきれいです」