有元葉子が30年間「ぞっこん」ほれ込んだ「オリーブオイル」が圧倒的においしい理由
有元さんの言う「彼ら」とは?
収穫したオリーブの実は冷蔵庫に入れたのに、なぜその日のうちにやらねばならないか。 その理由も本では詳しく説明している。 読めばもっともな話で、素人ながら「それは絶対にやらないとだめだろう」と思うのだが、さらに読み進めれば、果たしてそれを実践しているところがどれだけあるだろうか、とも思えてくる。 オリーブを収穫したその夕方、朝から働いてくたくたになった体に鞭打って、だれが夜通し働きたいものか。オリーブは冷蔵庫に入れた。明日やればいいじゃないか。 だが、たとえ冷蔵庫に入れても、オリーブの酸化は刻一刻と進む。 有元さんが愛を持って「彼ら」と呼ぶ、「マルフーガ」を経営するフランチェスコ氏とそのファミリーは、それが耐えられないのだろう。 搾油場で絞られる様子は、本書にこう綴られている。 「搾油場の仕事は毎日午後5時頃、つまり40人の収穫作業員が1日の収穫を終える頃に始まります。 搾油場の稼働は10月から12月まで。ウンブリア州では近年10月に入っても、日中の外気温は常に25℃を超えます。それでも、夕方からは外気温が下がり始めるので、その時間帯に搾油を開始するのです。温度は、すべての作業工程において大きな影響を与えます。」 この本は、オリーブオイルを使った単なるレシピ本でもなければ、知識を詰めた学者本でもない。 30年もの間、有元さんという愛用者の期待と信頼に応え続けてきた「マルフーガ」のオリーブオイルの強さの秘密を解き明かし、良質なオリーブオイルがいかに私たちの健康を助け、食卓を豊かにするかを教えてくれる。 その確かさはゆるぎない。 なぜなら、30年「本の通りの生活」を実践してきた結果が、今の「有元葉子」その人なのだから。 そんな本書より、ぜひ真似したい有元葉子流オリーブオイルの「使い方」を、抜粋してご紹介する。 *以下は、『美味と健康を支える魅惑のオリーブオイルの世界 オリーブオイルがある暮らし』からの抜粋記事になります。