「GRヤリス」エンジン搭載のトヨタ“新型”「ハチロク」が楽しすぎる! EV版は6速MTで『頭文字D』ファン納得の完成度【試乗レビュー】
トヨタは「愛車に長く乗り続けたい」人たちのために、パワーユニットを新しく載せ替える事業を模索中だ。この取り組みの一環として、トヨタは人気マンガ『頭文字(イニシャル)D』でお馴染み「AE86」に最新パワートレインを載せ替えたモデルを2台作り上げ、注目されている。そんな“ハチロク”改造モデル「AE86 G16E Concept」「AE86 BEV Concept」に、モータージャーナリストの原アキラが試乗した! 【写真】これが、トヨタが本気で改造したハチロクの姿だ!(全30枚)
トヨタがハチロクのパワーユニットをコンバージョン!
トヨタのAE86(ハチロク)といえば、アニメ「頭文字D」で主役を務めた白黒パンダのトレノがお馴染みのもの。「藤原とうふ店」の店名をボディサイドに貼り付けたそのハチロクは、主人公のホームグラウンドである“秋名山”のダウンヒルで最速を誇り、「溝落とし」や「インベタのインを刺す4輪ドリフト」などのテクニックを発揮してGT-RやFD、タイプRなど数々のライバルをぶっちぎってきた伝説のクルマだ。 そんなハチロクのオリジナルパワーユニット(PU)である1.6L(テンロク)の「4A-G」型エンジンを、最新の「G16E」3気筒エンジンとBEVに載せ替えたのが、今回乗った「AE86 G16Eコンセプト」と「AE86 BEVコンセプト」だ。 しかも、コンバージョンを行ったのがトヨタ自動車そのもの、という“謹製品”なのである。なぜ今そうしたクルマが出現したのだろうか。果たしてその乗り味は? ちなみにAE86は、1983年から87年までの4年間で13万6900台が製造され、現在でも1万3000台ほどがナンバー付きとして生存しているという。ただ、激しい走りやチューニングによって使い込んだものが多く、程度が良い個体がかなり少なくなってきているというのが現状。 そんなハチロクをこれからも維持していくため、新たなチョイスのテストケースとしてこの2台が登場したというわけだ。さらにサブスクのKINTOを通じてなるべく多くのユーザーに試乗してもらい、PUコンバージョンの事業化まで到達したい、という将来を見据えた計画でもある。プロジェクトのコンセプトは、「クルマ好きを誰一人置いて行かない」だ。