【闘病】もっと危機感を抱いていれば… 「腟がん」の手術後に「敗血症」を発症して
3人に1人はがんになる時代 検査はしっかり受けて!
編集部: 病気の前後で変化したことを教えてください。 さやちぇるさん: 直腸腟瘻(直腸と腟が瘻孔で繋がってしまうこと)になり、ストーマ(人工肛門)を造設することになりました。 また治療中に片方の尿路が閉塞したため、片側は腎ろうになり排尿はカテーテルを通して行っています。排便、排尿が自分の意思でできなくなったことで生活が大きく変わりました。 編集部: 今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか? さやちぇるさん: 婦人科って何かきっかけがないとなかなか足が向かず、仕事も休みづらかったので、後回しにしていました。普段から生理不順があったのに、半年や1年に1回の検診で何もないからと安心していたことを後悔しています。 今回もなかなか生理が終わらなかったのに、あまり深く考えていませんでした。痛みが出始めてようやく行動したものの、その頃にはがんが進行していてこのような結果になってしまったので、もっと早くから危機感をもっていればと思っています。 編集部: 現在(取材時)の体調や生活はどうですか? さやちぇるさん: 最初に受けた抗がん剤治療とは別の抗がん剤で治療をしていたのですが、4回目まではなんとか受けたものの、そこまでの効果は見られていないのと、薬が強すぎて副作用もきつく、このまま続けると命を短くしてしまうと言われて中断することになりました。 薬の副作用で体力も落ち、いろんな血液の数値が悪くなっている状態なので、今は体力をつけて数値を安定させることに専念しています。 治療中は副作用も強く、歩くのも困難でなかなか外出できなかったので、今は体調の良い日は家族で外食したり買い物に連れて行ってもらったりしています。 編集部: 医療機関や医療従事者に望むことはありますか? さやちぇるさん: これから前向きに治療受けようと頑張っているところにネガティブな情報をはっきりと告げられることもあって辛かったです。 一時期は病院に行くことすら嫌で心が落ち着かず、治したい気持ちはあっても「またマイナスなことを聞かされるかも」などと考えて、逃げたくなることが何度もありました。 患者さんによって1人の時にマイナスなことを聞かされるのは本当に怖くてきついものです。そういう話をされるときは、家族と一緒だったり、先生以外の医療スタッフも含めて不安が軽くなるような状況作りをお願いできたらと思います。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 さやちぇるさん: 面倒がらず後回しにせず、不調があればすぐ病院へ行くこと。とくに、婦人科系の悩みは放置せず、検診はしっかり受けてほしいです(前出※1)。 私も、まさか自分ががんになるなんて思ってもみませんでしたが、今は3人に1人はがんになる時代で、いつ誰がなっても不思議ではありません。 がんも早期発見できると治療の幅も広がり、完治する率も高いので、やはり症状が出る前の検診を大事にしていただきたいです。 私の場合、がんそのものというより、治療の副作用で体が不自由になった部分もあるので、そうならないためにも、せめて体に不調があるならすぐ診てもらうようにしてほしいです。 編集部まとめ ご遺族によると、生前のさやちぇるさんは本取材に対して「こういう取材を受けるんだ」と語り、意欲的に取り組んでくれていたそうです。編集部としては、『(さやちぇるさんが読者の)皆さんに伝えたかったことなので、記事にしていただきたい』との言葉を受け、公開に踏み切りました。さやちぇるさんが語ってくれたように、定期的な検診や異常を感じた際の早期受診がとても重要です。彼女のメッセージが、同じような状況にある方々にとって、一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。 なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。