「貧乏から這い上がってきたオレにはサッカーしかなかった」ーー“ドラゴン”久保竜彦とW杯
W杯で勝つには1人で2人を相手にできるような特別な選手がおらんと
その森保が率いる日本代表はW杯のグループリーグで、ドイツ、コスタリカ、スペインと対戦する。ドイツとスペインは過去優勝経験のある強豪だけに、日本にとっては厳しい戦いが予想される。それでも、久保は「逆に楽しみ。そこで勝てば一気にイケるじゃないですか」とエールを送る。 「森保さんはもちろん、コーチの横さん(横内昭展)、優作さん(上野)、下さん(下田崇)は広島時代の先輩。ベンチでみんながどんな顔しているかも気になるでしょうね(笑)。 初戦でドイツを叩けば、どうなるかわからない。試合はいつだって、やってみないとわからないですから。(日本代表にも)ドイツでプレーしている選手は多いし、どうやったら勝てるかはわかってると思う。もし勝てば、もっといいクラブに行けるかもしれんし、選手にしたら楽しみでしかないでしょ。 ただ、W杯で勝つには1人で2人を相手にできるような特別な選手がおらんと。中田(英寿)や本田(圭佑)がなりそうだったけど、そこまではならんかった。オレの経験上、言われたことをただ聞くだけじゃダメ。そういうちょっと飛び抜けたやつが出てこんと、上に行くのは難しいかもしれんね」 久保 竜彦(くぼ・たつひこ) 1976年、福岡県筑前町生まれ。福岡・筑陽学園高から95年にJリーグ・サンフレッチェ広島に入団。03年に横浜F・マリノスに移籍し、リーグ連覇に貢献。その後は横浜FC、古巣の広島を経て、晩年はJFL時代のツエーゲン金沢、広島県リーグの廿日市FCでもプレーした。J1通算276試合出場94得点。国際Aマッチは32試合出場11得点。