堅実なゲームメークで存在感を増すA東京の大倉颯太「僕が求められていることは、チームが良くても悪くても変わらない」
川崎相手に、2試合続けて後半に突き放して同一カード連勝
12月1日、アルバルク東京はアウェーで川崎ブレイブサンダースと対戦。序盤に出遅れるも試合が進むごとに地力の差を見せつけ80-62で快勝した。これでA東京は、前日に続いての勝利で今シーズン14勝2敗としている。 試合の立ち上がり、A東京は前日の敗戦からのリベンジを期す川崎の強度の高いプレーに受け身になってオフェンスが停滞してしまう。さらに川崎のアリゼ・ジョンソンによるボールプッシュからスピードに乗ったアタックに苦戦。このクォーターだけでジョンソンに8得点8リバウンドを許すなど、11-18で第1クォーターを終えた。 しかし、A東京は川崎の強度にアジャストすることで徐々に流れを引き寄せる。そして第2クォーター残り3分の時点で11点ビハインドだったが、終盤にセバスチャン・サイズの速攻やバスケット・カウント、さらに終了間際のライアン・ロシターの3ポイントシュートなどで33-32と逆転してハーフタイムを迎えた。これで完全に主導権を取り戻したA東京は、精度の高いプレーを継続する遂行力の部分で徐々に差を見せつけ、最終的に大差をつけた。 A東京のデイニアス・アドマイティスヘッドコーチは、次のように勝因を語る。「川崎さんが出だしでオフェンスでもディフェンスでもフィジカルにプレーしてきました。そのアグレシッブなところで我々のオフェンスはかなり苦しめられた結果、点数が伸びなかったです。控えから出てくるベンチの選手がしっかりとエネルギーを出して、フィジカル面で負けずにゲームを作ってくれました」 この悪い流れを食い止めたセカンドユニットを牽引したのが司令塔の大倉颯太だ。今日の大倉は15分35秒のプレータイムで0得点2アシスト2リバウンドとスタッツに関しては平凡だ。しかし、数字に出ない確かな貢献で、A東京の悪い流れを変え逆転勝利をもたらした。 「僕たちが目指している、やらないといけない勝ち方とは遠ざかる場面もありましたが、要所で良いところもあって勝てたことは良かったと思います」 こう試合を振り返った大倉は、第2クォーター以降の見事な巻き返しについて、このように語る。「バイウィーク明け(試合のブランクがある)というところでポジティブな捉え方もできます。ただ、これだけ準備をしてきた中で、後半にできることを前半にできないのはもっと変えていけない。今から危機感を持たないといけないと思います」 今回の試合に限らず、大倉はここまで堅実なゲームメークを続けているが、もともと持っていた創造性のあるプレーが鳴りを潜めている。だが、今の彼は「僕が求められていることは、チームが良くても悪くても変わらないですし、それが正しいと思っています」と、同じプレーを継続することに注力している。