安静のしすぎはNG? 冷やす? 温める? ギックリ腰の疑問を解消(専門家が監修)
ある日突然襲ってくるギックリ腰。名前を知らないという人はいないだろうが、その対処法や原因などをちゃんと把握しているという人は案外少ないのでは。今回は、ギックリ腰にまつわる素朴な疑問を通して、その実態に迫る! 基本を押さえて、万が一の時に備えよう。[取材協力/川口善治(富山大学医学部整形外科教授)、金岡恒治(早稲田大学スポーツ科学学術院教授) 編集/阿部優子]
Q1 とにかく痛い! どんな姿勢がラク?
ギックリ腰を起こし、強い痛みがあるときは、腰に負担がなく、痛みが生じない姿勢で安静にするのが最優先。「どんな姿勢がいいかは人によって異なります。 代表的な安静姿勢には❶膝を曲げて横向きになる、❷仰向けに寝て膝を軽く曲げ、膝下に丸めたクッションなどを入れる、❸仰向けに寝て、低めの台や重ねたクッションに両足を乗せて膝を軽く緩めるという3つがあります」(川口先生)。 試して自分にもっともフィットするものをチョイスしよう。
Q2 冷やす? 温める?
スポーツ障害のケアでは、「急性は冷やせ、慢性は温めろ!」が合言葉になっている。ギックリ腰は急性腰痛だから、セオリーに従って冷やすべきなのだろうか? 「患部が炎症を起こして熱を持っていたらアイシングで冷やすべきですが、そうでなければ、ギックリ腰で冷やすことはしません」(川口先生)。 固まった筋肉の動きが少し出てきたり、痛みが軽くなったりするようなら、カイロなどを用いて温めるのが正解。温熱効果を持つ湿布や軟膏を使う際は、痛み止め効果のあるタイプがいい。
Q3 安静にしすぎてはいけない?
安静にして痛みが消えてきたら、痛みへの恐怖心を乗り越え、できるだけカラダを動かすのが吉。 「痛みに恐怖心を持ちすぎると緊張し、アウターマッスルが率先して働くため、インナーマッスルが使いにくくなり、腰痛の慢性化につながります」(金岡先生)。 また、ギックリ腰からの回復期は“学習”の好機でもある。 「体幹のインナーマッスルを意識して動き、どんな姿勢や動きなら痛みや制限が出ないかを学び、生活に取り入れるチャンスにしましょう」。