23年ドラ1決意の更改 阪神・下村海翔、来季こそ「1軍で投げる」 虎のエース・才木ロードで復活目指す
阪神・下村海翔投手(22)が19日、西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、150万円ダウンの年俸1450万円でサインした(金額は推定)。ドラフト1位で入団した今季は4月に右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)を受け、リハビリに専念。過去に同じ手術を受けて復活した才木浩人投手(26)の背中を追い、来季はV戦力となることを誓った。 紺色のスーツに身を包み、締まった表情で前を見据えた。150万円ダウンで契約を更改した下村が、2年目に懸ける思いを口にした。 「1位で入って、その責任というのはすごく感じている。本当にいろいろな人に支えられているので、恩返ししたい気持ちが一番で、そのために頑張っています」 青学大からドラフト1位で入団し、即戦力として期待された中で今年4月に右肘の手術を受け、長いリハビリ期間に入った。8月下旬に屋外でのキャッチボールを再開。状態を見ながら5メートルずつ距離を延ばしており、現在は40メートルまで投げられるようになった。術後1年以上かかるのが通例の復帰時期は未定ながら「予定通り、順調に進められている。焦ることなく、でも最速で復帰できるように一生懸命、頑張っていこうと思っています」と語った。 メスを入れた右腕に器具をつけ、肘の可動域を制限して始まったリハビリ生活。「周りから『最初は顔が暗かった』とたくさん言われた」と振り返り「正直、辛かった時期はあった」と素直な心境を明かした。復帰を目指す中で支えになったのは同じ手術を受けた才木や高橋、島本らの励ましだった。 「才木さんとかが会うたびに『絶対大丈夫になるから』と言葉を掛けてくれるだけでも、すごく支えになった」 今季13勝を挙げ、プレミア12では日本代表として活躍する姿はもちろん、実感のこもった言葉が進むべき道を照らしてくれた。藤川監督からも「同じ手術を俺も受けているから、焦らずゆっくり調整して」と声を掛けられ、着実に歩みを進める目線の先には来季のデビューがある。 「来年中にしっかり試合に投げて、目標は1軍で投げること。最後、日本一やリーグ優勝のチームの戦力になれれば」
苦難の乗り越えた先輩右腕のようにマウンドで躍動する日が来ることを信じ、トレーニングを続けていく。(邨田直人)