「MRJ」量産1号機、5回目の納入延期三菱重工が会見(全文1)2020年半ばに
そのような新しい強化策の中で、推進体制と申しますのはある程度、MRJの事業が軌道に乗るまでは、私がやはり直轄しまして、事業推進委員会、私が座長で行いますが、隣にいる篠原が事務局長で全部、実務をずっと取りまとめているという状況でございまして。あとはMRJの開発チームで、それから将来の差別化を行う。これは、小牧と近いところで、名古屋に2つのチームがいると。それに対して、あとモーゼスレイクのテストフライト、これが今、ものすごく忙しくなっておりますが。それとともにシアトルのエンジニアリングセンターは、両方とタイアップしながらも、将来差別化技術も両方やっていくと。こういうような形で考えております。 そういう中ではやはり今、実はずっと、ここにグラフにありますように、外国人アドバイザーの方にずっとお手伝いいただいておりまして、(※判別できず)んですけど、やっぱり難しいなということ。少しずつ増やしていきますが、昨年から急激にやはりさまざまな、先ほど申し上げましたような外国人のエキスパートの方たちを、ここで働いていただくようにしております。 そういう中でやはりわれわれ、三菱重工業は防衛だとか防衛技術、それからTier 1の製造技術の中から非常に設計そのもの、開発設計、それから生産、製造技術という面では外国人のエキスパートの方々からも非常に高い、これは素晴らしいというものをいっぱいいただいておりますけど、評価してもらってますが、実際に完成、今、テストフライ等を行っている機体を見ていただいても、お客さまその他が見ても、これは素晴らしいという飛行機なんでございますけれども、やはりわれわれはどちらかというと、国際的に共通化されたルール、そういう例えば安全、規制のルールだとかそういうものについて、それをより分かりやすく、規制の観点から説明できるような設計手法。つまりこれ、なぜこれがこうしなければならないのかと。こういう規制に対して、こういう対応をするというようなところの決め込み方について、われわれ、やはりかなり知見が足りないところがございました。 これはやはり過去のいろんな経験の中では、なかなか培われなかったところかと思いますが、やはり特に最近、このValidation & Verificationシステムが、欧米で非常に高度で複雑なものになってきておりますけれども、それをやはりちょっと、知見がかなり足りなかったなと。ここのところにつきまして、外国人の方が経験者の方によく学びながら。で、私ども実は、Validation & Verification、こっちじゃない。私じゃないね。 Validation & Verificationというようなものの中に、後ほども申し上げますが、そういうものをできる人たち、エキスパートの方たちと日本人が本当に一体となった、世界水準の民間完成機を開発したいというふうに思っております。 そのためにはどうしても今回、MRJの、この一体となった国際的ないろんな形で知恵を出し合った開発を進めると。これによって差別化した素晴らしい飛行機ができると思っておりますが、その開発をやはり、これは初めからここまでできてれば、私も本当に良かったんではないかと思いますが、やはり意思決定のレベル、今でもかなり改善されておりますがリーダーシップと権限の委譲、この両方を上手に行うことが必要だと。より高度なチームワークの追求、やっぱり情報や知識の共有をもう少し深める。 それから、トップダウンとボトムアップがしょっちゅうないと、なかなかいい開発に至らないということについて、われわれ少し、そういう面で欠けてたところがあったと思います。これを一生懸命、今、レベルを上げてきておりますんで、かなりいい線にきてると思います。で、やはりこういう最先端の開発をやるときには、世界水準の職場効率というのは職場環境、働く環境、IT環境、その他いろんな環境を良くする。それをまた維持する。それから業務プロセス自身も、なるべく分かりやすいものにしていくというようなことが必要だなと。 こういうものを全部、いつもまずスタートのときからある程度、考えて、準備して、さらにそれをだんだん良くしていくということで、こういうことができるんではないかと。ぜひ今回、MRJの開発、かなり最終段階に近づいておりますが、その中でこれをもう少しより良い形に持っていって、次のまた開発、それから三菱重工業のいろいろな他の製品での開発にもつなげていきたいと思っております。