ワールド・リバティ・ファイナンシャル、1000万ドル分のcbBTCをWBTCに交換──サン氏の顧問就任後
ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領のファミリーが支援するワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)は12月18日、コインベース(Coinbase)のラップド・ビットコイン「cbBTC」約1000万ドル(約15億5000万円、1ドル=155円換算)相当を、ライバルのWBTCと交換した。 ラップド・ビットコインは、ビットコイン以外のブロックチェーン上の分散型金融(DeFi)で使用できるビットコイン(BTC)の一形態だ。 コインベースは9月にcbBTCを導入し、11月には上場基準を理由にWBTCの上場廃止を発表した。この措置を受け、WBTCに関与するカストディアンであるビット・グローバル(BiT Global)は、コインベースを提訴し、廃止を阻止しようとした。しかし18日、裁判所はビット・グローバルに不利な判決を下した。 さらに、もう1つ関連することがある。それは、トロン(Tron)ブロックチェーンの創設者であり、CoinDeskの「最も影響力のある人物2024」の1人であるジャスティン・サン(Justin Sun)氏だ。コインベースは、アメリカで詐欺と市場操作の容疑をかけられているサン氏とビット・グローバルのつながりを「容認できないリスク」として挙げた。この非難を否定しているサン氏は、先月、WLFIトークンと引き換えに同プラットフォームの3000万ドル(約46億5000万円)分の株式を取得し、ワールド・リバティ・ファイナンシャルの顧問に就任した。 Trump's World Liberty(@worldlibertyfi) exchanged all 102.9 $cbBTC($10.4M) for 103.15 $WBTC 4 hours ago.https://t.co/mtD0c2tvvo pic.twitter.com/tfN60lgStm — Lookonchain (@lookonchain) December 19, 2024 ワールド・リバティ・ファイナンシャルはトークンの交換に関する決定を明確に表明していない。オンチェーンデータによると、このプロジェクトはここ1週間、市場で活発に活動しており、提携や統合を通じて関連のあるアーベ(AAVE)、チェーンリンク(LINK)、エトナ(ENA)を数百万ドル分購入している。 サン氏はWBTCとは直接的な関係はほとんどない。8月には、WBTCの裏付けであるビットコインの長年のカストディアンであるビットゴー(BitGo)が、運営の分散化を進めるために、プロジェクトの保管管理権限を1社ではなく、ビット・グローバルを含む世界中の3社に分配すると発表した。 ビット・グローバルは香港で信託・会社サービスプロバイダー(Trust and Company Service Provider:TCSP)として登録されており、8月のリリースによると、「ビットゴー、ジャスティン・サン氏、トロン・エコシステム間の戦略的パートナーシップ」だ。 サン氏は、これらの企業の株主リストやビット・グローバルの株主リストに直接的にも間接的にも関与していないと、10月のインタビューで取締役のロバート・リュー(Robert Liu)氏は述べている トロンや暗号資産取引所のHTXその他の事業の成功を踏まえ、一部の取締役はサン氏の関与が「WBTCにとって良いことだ」と考えていると彼は述べた。 「トロンのブロックチェーンは世界市場シェアの50%以上を占めている。彼らは最も高い回転率を誇っている。そのため、人々はトロンのブロックチェーン上で600億ドル(約9兆3000億円)以上のステーブルコイン資産を流通させることに何の問題も感じていない」とリュー氏は述べた。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:ジャスティン・サン氏(Callan Quinn/CoinDesk)|原文:Trump-Backed World Liberty Financial Swaps Its cbBTC for WBTC After Sun Joins as Adviser
CoinDesk Japan 編集部