なぜアメリカではセルフレジが普及しないのか?
日本では、かなり普及した印象があるセルフレジ。ユニクロやイオンなど、大手小売店が導入した影響が大きいのではないでしょうか。 気がつけば日常的に使用していますし、便利です。セルフと有人どちらがいいとかではなく、単純に空いている方を利用している人も少なくないのでは? だとすれば、両者の間に大きな差を感じていない人も多いということです。 同じセルフレジでも、アメリカでは今ひとつ普及が進んでいません。セルフレジは社会的に失敗という声もあり、撤廃する店もあります。
売り手と買い手のズレ
アメリカでセルフレジがうまくいっていないと聞くと、お客さん側からの「使いにくい!」というクレームが出ているのかな?と想像しますが、実は逆。速いし楽だし、無理に人と話さなくていいしサイコー!と、お客さん側からは概ね好評だそう。 では、何がうまくいっていないのか? それは店舗側の状況。 セルフレジ最大の問題は万引き(バーコード読み間違いなどの意図しないモノも含む)が増えること。そしてコストがかさむこと。セルフレジ導入コストに加え、なんだかんだサポートに回るスタッフが必要となり、人件費も上がっているといいます。結局、セルフレジに最も期待していたコスト減で力を発揮できていないとなれば、やめたくなるのは理解できます。
使用点数を制限
アメリカにおけるセルフレジ失敗の声は、今年の頭から強まっていました。 大手小売チェーンのTarget(ターゲット)では、セルフチェックアウトに制限を設けました。セルフチェックアウトを使えるのは、購入点数が10アイテム以下の場合のみとしたのです。最初は一部店舗のみだったこの制限、今や広く全米の多くのTargetで取り入れられています。 Targetは生鮮食品から雑貨、アパレル、家具まで幅広く取り扱う大型スーパーなので、ついついカートの中に物が増えます(Targetつい買いがちは、ネットミームでもよくネタになる日常あるある)。10アイテム以下なんて、かなり自分を律している人か、緊急に何か必要になって相当急いでいる人じゃないと無理なレベルです。 購入点数を制限する方法は、お客さん側のスピーディーで助かるという意見を汲み取った上で、セルフレジをクイックレーンの延長という位置に落とし込む作戦なのでしょうか(クイックレーンとは、有人レジにもある購入点数が少ない人向けのレジ列で、アメリカの大きなスーパーでは古くから導入しているところも多い)。もしくは、単に万引き対策か…。 購入点数制限はお客さん側には不評で、一部ではこれを理由にTargetボイコット運動が起きるほど。 セルフレジにテコ入れしているのはTargetだけではありません。同じく大手小売チェーンのWalmart(ウォルマート)では、セルフレジを有料会員向けのサービスとする店舗も。そのほか、セルフレジを使えるのは特定の時間帯のみという対応を採る店舗もあるといいます。 セルフレジを使いたいお客さんと減らしたいしたい企業の攻防はしばらく続くようです。 Source: The Sun
そうこ