マレリとのラストレースで見せた“インパルらしさ”。12号車MARELLI Zが最後尾スタートから3位表彰台……決勝での強さを遺憾なく発揮
スーパーGT第5戦(最終戦)鈴鹿で3位表彰台を獲得したのは、12号車MARELLI IMPUL Z。マレリとのパートナーシップを締め括るレースで、見事な“インパルらしさ”を見せたと言える。 【ギャラリー】“カルソニックブルー”は永久に不滅……スーパーGTを彩った『カルソニック IMPUL』のマシンたち マレリはカルソニックカンセイとマニエッティ・マレリの経営統合によって生まれた企業。カルソニック、そして古くはその前身の日本ラヂヱーターの時代から、40年以上にわたってインパルを支えてきたが、今季限り(厳密には2025年2月)をもってスポンサーシップを終了することになっている。 鈴鹿戦はチームにとって重要なレースとなったが、予選から不運に見舞われた。Q2アタック中のシケインで、平峰一貴がトラフィックと遭遇してしまい、それを避けるためにスピン。決勝は最後尾15番手からのスタートを余儀なくされた。 しかしながら、インパルの12号車は力強いレースを見せた。前半スティントではベルトラン・バゲットが9番手まで順位を上げると、後半担当の平峰がピットアウト直後に集団を次々にオーバーテイクして5番手までジャンプアップ。レース後半は上位争いの一角となった。そして3号車Niterra MOTUL Zのスピンで4番手に上がると、100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTをコース上で交わし、表彰台を手にした。 予選での不運なスピンは悔しかったと振り返る平峰だが、「予選とレースは別の出来事だと思うので。決勝は決勝で自分たちの仕事にしっかり集中して戦えたんじゃないかと思います」と淡々と話す。 最後尾スタートからの華麗なる追い上げは、タイトルを獲得した2022年の鈴鹿戦で見せた最後尾からの優勝を思い起こさせる。今回もレースでの勝負強さを遺憾なく発揮した。平峰も、「僕のスティントはうまくクルマを抜くことができ、正確には覚えていませんがコース上で4、5台抜くことができた。バトルもいっぱいあったし、 その中で結構強いインパルを見せられたんじゃないかなと」と語った。 チームを率いる星野一樹監督も、インパルのレースでの強さは武器だと語る。鈴鹿戦の決勝前にシーズンの総括を尋ねた際、彼は「一発の速さがなかなか見せられない」と課題を挙げた上で、「レースに関しては、ドライバーの強さ、チームのレースでの強さでポイントを重ねてこれました」と振り返った。 実際、今季のインパルは優勝こそなかったが、今回の鈴鹿戦、そして雨の難しいコンディションとなったSUGO戦で表彰台を獲得。他にも4位1回、5位2回、6位1回と、しぶとく上位入賞を重ねた結果、最終ランキングも6位に食い込んだ。 これでマレリと戦うレースは終了となるが、既報の通りインパルの来季からのメインスポンサーは決定済みだという。装いも新たとなるインパルがどのような活躍を見せるかにも注目だ。
戎井健一郎
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