箱根駅伝は青学大、東海大、神奈川大の3強争いになるのか?
東海大は2区を予定していた關が1区、2区には阪口を登録してきた。 坂口は出雲駅伝1区で独走したものの、全日本は外れた選手。11月下旬の取材でも、「まだ20kmは難しいんじゃないですか」と両角速駅伝監督は話していたので、エース区間の抜擢には驚かされた。關が全日本後に調子を崩したことで、当初の予定から区間配置を変えることになった結果だろう。前回1区2位の鬼塚を3区にまわしたことを考えると、2区の遅れは計算づくで、3区で挽回する作戦か。順当なら1万m28分32秒24の三上もどこかに起用されるはずだ(4区が有力か)。 そのなかで神奈川大だけは“正攻法”ともいうべきオーダーを組んできた。 1~3区が前回と同じで、4区に主力の大塚を配置。1万m28分台の鈴木祐は11月下旬に右くるぶしを痛めため、万全な状態ではないが10区に登録された。順当なら当日変更で大野が7区か8区、大川が9区に入ることになるだろう。大後栄治監督は、「1~5区は変えません。青学大、東海大と比べて選手層は薄い。粘って3位を死守したい」とまずは目標の往路Vを狙う考えだ。 では3強の戦いを具体的にシミュレーションしていこう。 1区走者の実力はそん色ないため、さほどタイム差はつかない。 2区は1時間7分00秒前後で走ることが予想される神奈川大・鈴木が抜け出すだろう。青学大・森田は安定感があり、1時間8分台前半は期待できる。東海大は両角監督が「1時間8分00秒」という目標タイムを立てていたが、阪口がどこまで踏ん張れるか。 阪口は11月中旬に行われたオランダのセブンヒルズ(15km)で43分36秒の6位と快走。前年に神奈川大・鈴木健がマークした記録を42秒も上回った。阪口はチーム同学年の關や鬼塚以上にスピードが武器。アップダウンも得意とするが、その一方で20kmやハーフマラソンの経験がなく、長い距離への適正は不透明だ。東海大は「2区阪口」の走りがまずはポイントになる。 2区終了時で神奈川大は両校から1~2分のリードを奪っているはずだが、青学大・原監督は「2区終了時で1分以内に抑えて、3区でリセットしたい」と出雲と全日本で区間賞を奪っている田村で追いつくつもり。東海大・両角監督も「3区鬼塚のところで先頭争いをしていたい」と考えている。 前回はすんなりと首位を明け渡した神奈川大・越川だが、今季は全日本5区で区間賞を獲得するなど大きく成長した。田村と鬼塚は1万mで28分10秒台のスピードを誇るが、1分以上のビハインドがつくと追いつくのは簡単ではない。神奈川大としては2区終了時で大量リードを奪い、両校を焦らすことできると、より優位な展開になる。