コロナ禍で再燃「家事・育児分担論争」 夫婦間の不公平感や感情のすれ違い、解消の糸口は?
夫の言動に思わず“白目”? 人気ネット漫画家が描く不公平感
では妻たちは、具体的に夫のどんな言動に怒り、何に課題を感じているのだろうか? 私たちは“夫への不満”を描いて共感を集めているSNS上の漫画に着目した。夫や小学生の2人の娘たちとの日常で生まれる“育児あるある”をカルタ風にまとめる、白目(しろめ)みさえさん。インスタグラムで9万人近いフォロワーをもつ人気漫画家だ。
最近、特に反響を呼んだのが、“夫との家事の認識のズレ”を描いたこちらの投稿だ。
やるべき家事や育児の種類を可視化するため、夫とお互いに思いつくものを書き出してみたところ、その総数は白目さんの200種類に対して、夫は10種類だけ。 白目さん一家の休日をのぞいてみると、確かにいくつもの細かいズレがみられた。洗濯物を畳みはするものの、収納せずテレビの前に放置して娘とゲームに興じる夫。皿洗いにしても、流した食べ残しや油がこびりついたシンクや排水口の掃除までは気が回らない。一つひとつはささいなことだが、そのたびに白目さんのイライラと不公平感が募っていく。
上記の家事の書き出しでは、例えば夫が「掃除」を1種類として挙げた一方、白目さんは「玄関を掃く」「お風呂を磨く」「布団を干す前にベランダを拭く」「乾燥機にたまったホコリを取る」など、細かく分けて挙げていた。 「常に頭の中に小さいタスクがいっぱいあるっていう感じ。夫が家にいる時間が長くなることであらが目につきやすくなるし、『いるならやってよ』という気持ちになってしまう。やり残しを放置しているとストレスがたまるから片付けてしまうけど、なぜ私ばかり……とどんどんしんどくなる」
夫側も“絶叫”しながら葛藤「仕事が…」感情のすれ違いに悩む
妻が夫に不公平感を募らせる一方で、Yahoo!検索の履歴分析からは、悩める夫側の気持ちも見えてきた。 「妻」とセットで検索される言葉には、「怖い」「嫌いすぎる」などネガティブなものだけでなく、「妻のイライラ」を何とかしたい、「不仲を解消したい」という関係改善を探る言葉もあり、切実な思いが浮かび上がる。 「家事分担を、半分ずつやるものと思い込んでいる嫁。家にいる時間は全力で家事炊事、休日の食事は全部俺の役割。そこまでやって半分どころか10分の1以下だと言われたら……」(北海道・30代男性) 「家事育児をもっとやろうという気はあるが、妻と同じレベルを求められても応えられない。そのレベルに至らずに小言を言われても、何で怒られるんだろうと思ってしまう」(東京都・30代男性) 夫側の本音と内に秘めている課題に迫るべく、次に私たちは世の男性たちから共感を呼ぶネット漫画に着目した。作者は、夫婦共働きで2歳の子どもを育てる“新米パパ”の犬犬(いぬいぬ)さん(39)。家事や育児の葛藤をありのままに描いた2コマ漫画をTwitter上に投稿し、フォロワーは21万人を超えている。