新型コロナ専門家会議 脇田座長らが会見(全文1)オーバーシュートが起こり得る
政府の新型コロナウイルス対策専門家会議の脇田隆字座長(国立感染症研究所 所長)、尾身茂副座長(地域医療機能推進機構 理事長)らは19日夜、同会議の第8回会合後に記者会見を行った。 【動画】新型コロナ対策の効果は? 専門家会議が見解発表 脇田座長らが会見 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「新型コロナ対策の効果は? 専門家会議が見解発表 脇田座長らが会見(2020年3月19日)」に対応しております。 ◇ ◇
これまでの状況を分析し、提言をまとめた
読売新聞:幹事社の読売新聞です。それでは専門家会議の皆さんの会見を始めます。まず、ではご説明をよろしくお願いします。 脇田:よろしくお願いします。専門家会議、座長をしています脇田と申します。どうぞよろしくお願いします。本日、第8回の専門家会議を開催しました。これまで2月24日、そして3月2日に専門家会議としての見解を出させていただいてきております。今回、第8回の専門家会議では、これまでの状況を分析し、提言をまとめさせていただきました。これについて今日は皆さまの前でご説明をしたいと考えております。 この見解は新型コロナウイルス厚生労働省対策本部クラスター対策班が分析をした内容に基づきまして、専門家会議で検討した結果をまとめております。現在までに明らかになってきた情報を基にしまして状況分析を行い、その正確な情報提供に努めるとともに、政府および自治体に対して提言を行い、国民の皆さまおよび事業者の方々に対してお願いをすることにしております。内容については、まず尾身先生のほうから説明していただき、そのあとデータに関しましては北海道大学の西浦教授に説明をお願いしております。では尾身先生、よろしくお願いします。
オーバーシュートを回避するための提言
尾身:尾身でございます。よろしくお願いします。まず冒頭に、この感染症についてはいまだ不明なところが多いんですけども、一方、明らかになってきていることもあります。今回われわれが最も重要だと思っていることは、本感染症は気が付かないうちに市中に、まちの中に感染が広がり、ある日突然、爆発的に患者が急増する、いわゆるオーバーシュートですね、ある日突然、爆発的に患者が急増するオーバーシュートが起こり得るということだと思います。こうしたことが起こると医療供給体制に過剰な負担が掛かり、適切な医療の提供ができなくなります。今回のわれわれの提言は、そうした事態を回避するための提言をまとめたものであります。 次にわれわれの状況分析等について述べさせていただきます。まず、皆さんご承知のように、WHOによるパンデミックとの認識が3月11日になされましたけども、この表明によって、特に日本の対策が変わることは基本的にありません。今までどおり3つの3本柱、1番目はクラスター、いわゆる集団の早期発見、早期対応。それから2番目の患者の早期診断、重傷者への集中治療の充実と、医療提供体制の確保、医療体制ですね。これが2番目、それから3本柱の3番目、市民の行動変容という、3つの3本柱の基本戦略は維持するだけでなく、必要に応じて強化し、速やかに行わなければならないと考えています。これからも続けていきたいと思っています。 さて、いわゆるわれわれが行っているクラスター対策についてですが、先ほど申しましたとおり、3本柱の1つであるクラスター対策については、WHOによっても高く評価されているのは皆さんご承知のとおりだと思います。しかし、このクラスター対策にとって2つの課題がございます。1つは、国や地方自治体にはクラスター対策の指揮を執る専門家が少ないこと、これが1点目の課題であります。それから2点目の課題は、帰国者・【接触者 00:04:52】相談センターの労務負担が過剰になって、現場がいわば疲弊している状態があります。これが今、クラスター対策についてであります。