イチロー&松井秀喜、10年ぶり再会の2人が思い描く10年後の姿「遠投してたい」「長嶋(茂雄)さんが喜ぶことをしたい」
人の気持ちが沁みるようになった
イチロー:なんか人の思いとか気持ちっていうのは、すごく沁みるようになったよね。 松井:そうなんですよ。 イチロー:年齢を重ねるとね。 松井:ちょっとしたファンの反応とかね。近くにいる人の反応を見て、「あ、こんなに喜んでくれるんだ」って。 イチロー:人が喜んでくれるって嬉しいよね。 松井:そうなんですよ、そうなんですよね。 イチロー:昔は何か自分がもうプレーして、結果を残すことで必死で。(人が)喜んでくれてる瞬間も味わってるんだけど、次から次にやってくるからね。そんなことに浸ってられないし、だけどなんか今は、すごいその人の気持ちが刺さるよね。 松井:本当にそう思います。それこそ中学時代からね。何か触れたり、すれ違ったりみたいなのを繰り返して。今回、なんていうのかな、すごい、その人間的に心地いいな、イチローさんと一緒にいて心地いいなっていうのを初めて気づいた、自分自身がね。 イチロー:はあー、へぇー(笑顔) 松井:それも今まで感じなかった部分かなっていう。わからなかった部分。 イチロー:わからなかった、お互いにね。 松井:だから、それを外してくれたのはやっぱ、イチローさん。 スタッフ:この感じをいかして10年やりましょうよ、野球のためにね、日本の。せっかく、こう不思議な距離が・・・。 イチロー:えっ!何言ってんの。 松井:フフフフフフ(爆笑) イチロー:何そこでうまいことまとめようとしてるの? イチロー&松井:(笑) イチロー:いや本当、ね、楽しかったし。 松井:楽しかった。 イチロー:いい時間でした。ありがとうございました。 松井:とんでもないです。ありがとうございました。 【対談を終えて】 松井:一応、50歳の男は普通は「私」ですよね(笑)。その辺に関しては、ちょっと主張させてもらおうかなと。カメラが回ってることをね、忘れさせてくれるぐらい話し込んでしまいました。でもいい時間でした。ええ。また何かね、お互い良い形で再会できたら嬉しく思います。 イチロー:やっぱ何もかも似てる選手が並んでも面白くないんで、コントラストが効いてる方がおもしろいのはおもしろい。だけどこうやってね、久しぶりに会って話をすると、結構考えてることとか価値観というのは、似てるんだなっていうのが感じられてすごく嬉しかったです。