何が25年ぶりVのオリックスとロッテの明暗を分けたのか…“レジェンド”イチロー氏から届いた祝メッセージとは?
マジック「3」のロッテは27日、仙台で楽天に1-2で敗れ、残り2試合に勝っても勝率ですでに全日程を終了していたオリックスを上回ることができなくなったためオリックスの25年ぶり13度目のパ・リーグ優勝が決定した。オリックスは京セラドーム大阪で優勝の喜びを噛み締め、昨年途中から監督代行となり、就任1年目の中嶋聡監督(52)が3度宙に舞った。最後まで壮絶なV争いをしたオリックスとロッテの明暗を分けたものは何だったのか。
オリ社長は「公約通りに支払うものは支払う」
ロッテはプレッシャーにがんじがらめになっていた。オリックスに“裏マジック”「1」が点灯しており、ロッテは残り3試合でひとつ負けた時点でV逸という厳しい条件に追い込まれていた。対する楽天は、先発の則本に規定投球回数到達と通算1500奪三振達成の個人目標と、CSに向けたテストがあり、ノビノビと好きなように野球のできる立場にあった。 ロッテは1回にレアードのタイムリーで先制点を奪ったものの、その後、膠着状態となった。井口監督も、バント、バントの手堅い作戦で追加点を得ようとしたが、4回からは2桁勝利狙いのルーキー早川にスイッチされるなど目先を変えられ打線は沈黙した。走者を出しながらも粘っていた先発の小島も5回に同点とされ、今季無敗のセットアッパーの佐々木千隼が8回一死一、二塁から代打・小深田に痛恨のタイムリーをライト前に落とされ、最終回はマーティン、レアード、代打・佐藤都が三者連続三振で終戦となった。 2勝1分けでも優勝できるため井口監督は、7回無死一塁でレアードに代走を送らず、8回も先頭の加藤に代打を送らないなど、引き分け狙いの“守りの采配”をふるって、それが裏目に出た。 仙台から数百キロ離れた大阪では、オリックスナインが全員ユニホームに着替えて京セラドーム大阪のベンチにスタンバイ、スコアボードの巨大ビジョンで試合を観戦していた。試合終了と同時にマウンドへダッシュ。喜びを爆発させ中嶋監督が3度宙に舞った。駆けつけていた“総帥”宮内オーナーも胴上げされ、吉田正やT-岡田、平野らが続き、最後は宗が巨漢のモヤに持ち上げられるなど25年間貯め込んだモヤモヤを発散させるかのような大ハシャギの“胴上げ祭り”だった。 そのままグラウンドでアルコールのないミニ祝勝会に切り替わり、宮内オーナーが「こんな気持ちのいい夜を過ごすのは25年ぶりかな。外部の人の予想は決してこういう結果になるものではなかったでしょうが、みなさまのご努力のおかげで本当に嬉しいリーグ優勝をさせていただいた」と挨拶。 続けて湊球団社長が「公約どおり支払うものはちゃんと支払います」と、V祝儀の年俸アップを約束して選手から歓声が上がった。 そして中嶋監督がマイクの前に立った。