卵は1日に何個も食べていいの?「コレステロール」との本当の関係性を医師が解説
卵はおいしいのはもちろん、いろいろな料理に活用できるので、多くの人にとって欠かせない食品であるはずです。でも、コレステロール値が高く、食べすぎると体に良くないといった話もよく耳にするので、積極的に摂取をしていいのかは気になる点でもあるでしょう。そこで今回は、卵とコレステロールの関係性について、YouTubeチャンネルの登録者数が37万人を誇る、医師でヘルスコーチの石黒成治先生に教えてもらいました。 ◇ ◇ ◇
“卵”と“コレステロール”の関係性とは…
コレステロールは心臓病の原因になることが疑われていて、卵はコレステロールを豊富に含むために、1日に何個も食べるのは良くないとされてきました。 ところが、最近の研究では、卵を食べることと心臓病のリスクに関して、かつて考えられていたほどの強さの相関はないという可能性が示されています。 卵を食べることで、心臓病のリスクや炎症、動脈硬化、コレステロールの値が上がる、危険因子が高まるといったことはないという結論も出ています。
卵の摂取が「心臓病」にどう影響するのか?
とはいえ、卵の摂取に関して、コレステロールを高くするというデータがあるのは事実です。 卵を使った朝食と使わない朝食では、卵を使った朝食を食べた人たちのほうがコレステロール値が上がっていたという調査結果もあります。 しかし、細かいデータを見ると、心臓病のリスクに使われるLDLコレステロールとHDLコレステロールの比はあまり変わっていなかったため、そこまでリスクは上がっていないとも言えます。 糖尿病患者を対象とした比較試験を行った際も、卵を週に6個~12個食べてもコレステロールの影響は出ませんでした。 逆に、HDLコレステロールという善玉コレステロールを増加させる効果が見られ、これは心臓病にとってはむしろいい効果です。 結局のところ、卵の摂取が心臓病のリスクを上げるとか下げるとか上げないとか、いろいろな報告が入り混じっているのが現状と言えます。