考察『光る君へ』33話 中宮女房ズメンバー紹介!道長(柄本佑)からまひろ(吉高由里子)に贈られた檜扇にはきらめく水辺で遊ぶ、あの日のふたりが…
「ないしょ」彰子の素顔!
珍しいアングルで女房達の私室、局の様子を見せるシーン。まひろの部屋は執筆スペースを確保したためか他の女房よりも広い。 壁ではなく壁代という布地で隔てているだけなので、寝言もいびきも丸聞こえだ。日中は重い女房装束を身に着けて忙しく立ち働いて、全員疲れてるものね。お疲れ様です。 ……と思ったら殿方が迎えに来て、こっそり出ていく女房がいる。それは朝になり着替える場面でわかった。小少将の君の隣だから、大納言の君か。 「お目覚めあれ!」という声とともに半蔀(はじとみ)が上げられ、女房たちの一日がスタートする。着替え、洗顔、化粧……身支度をする様が美しく、見ていてとても楽しい。 しかし、慣れない環境でおそらく夜明けまで眠れなかったまひろは思いっきり寝坊してしまう。本当に赤染衛門先生がいてくださってよかった! そこで飛び出す嫌味「誰ぞのおみ足でもお揉みにいらしたのではないの?」 赤染衛門先生からそっと教えられるその意味は……足を揉みにゆく=夜伽に召されるということ。女房というものは内裏で仕える存在ではあるが、夜伽が「役目」となるのは想定していなかった! というまひろの顔。 あの、先生。質問です。それは嫌なら拒否できるものなのですか。デキる女房は素晴らしく気の利いた和歌でお返事して突っぱねたりするものなのでしょうか。17話で斉信と清少納言(ファーストサマーウイカ)のそうした関係が示された場面を思い出す。 そして昨晩の大納言の君は、夜伽に召されたのか、それとも恋人が迎えに来たのか。頼む、恋人であってくれ!ドラマレビュー4回でも述べたが、主人と性的な関係にある女房を召人(めしうど)という。大納言の君が召人であること「それはナシ」という展開でありますように。 中宮大饗(新年2日に中宮が主催する饗宴)で、御簾越しに廷臣達の礼に応える彰子(見上愛)。灯に照らされ浮かび上がる、その美しさ──まひろの目を借りて1000年前の宮中の様子を見ているようだ。 そして同じくまひろの目を借りて見る、彰子の素顔! 敦康親王(池田旭陽)に「ないしょ」とお菓子を渡すいたずらっぽい微笑みのなんと素敵なことだろう。 物憂げに目を伏せている表情しか知らない一条天皇が見たら、一発で恋をしてしまうのではないか。
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