「不妊もお前のせいだ!」都合が悪い事を人のせいにする、モラハラ夫が心の内に隠している「3つの弱さ」とは
夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。自分を大切にしてくれ、本当に優しい人だから結婚をしても幸せになれると信じていたのに、結婚した途端に優しい姿が全て嘘だったとわかり苦しんでいる女性がたくさんいます。 【データ】10人に1人が、配偶者からの繰り返しDVを受けている モラハラだとわかっていても、経済的理由や子どもの養育の問題、夫のモラハラが治り優しくなってくれるかもしれないという期待から離婚を決断できない方が多くいます。離婚を決意しても、実際に離婚の手続きを進めようとすると夫から拒否をされ調停や裁判にまで発展し、次第に心を病んでいってしまいます。モラハラの闇はとても深いものです。そんなモラハラについて長年に渡りカウンセリングを続けてきた私なりの対策をお伝えしています。 今回は子供に恵まれないのは全て妻のせいだと責め立てる夫に、離婚を考え始めたR子さんのお話を書かせていただきます。
渋滞まで妻のせいにする
R子さんは、結婚してからというもの、ずっと夫の理不尽な言動に苦しめられてきました。夫は何か不都合なことが起こるたびに、それを全てR子さんのせいにするのです。結婚当初は夫の理不尽な言動を「自分が何か間違っているのかもしれない」と考え、理解しようと努めていました。愛する人と良い関係を築きたいという思いから、夫の言動を受け入れ、何とかその理由を見つけようとしていたのです。 「また渋滞かよ。お前がこんな日に出発しようなんて言うからだろ!」 お盆休みの帰省中、車の中でR子さんの夫が吐き捨てるように言いました。道路は帰省ラッシュで大渋滞。高速道路の交通情報では渋滞40キロと書かれています。R子さんはお盆は絶対に渋滞するから、せめて電車にしよう。電車だったら指定席を取れば座れるからと何度も言ったそうです。 『 新車を購入した夫はそれを田舎の兄弟に自慢したい気持ちがあるのか、絶対に車で帰省すると言ったのです。全て夫が決めたことなのに、うまく行かないことは全部私のせいになるのです。 「あなたが決めたことでしょ。」と言いましたが、夫は「お前が疲れるから車にしてくれと言ったんだろう。」と話を作り、私のせいにして文句を言い続けます。それ以上言ってもさらに機嫌が悪くなるので、黙って車の中で耐えていました。』 モラハラ夫が何でも人のせいにする理由はいくつか考えられますが、主に以下のような心理的・性格的要因が絡んでいることが多いのです。 1. 責任回避 責任を他人に押し付けることで、自分のミスや欠点を認めたくないという思いがあります。自分の過ちを認めることは、自己評価を傷つける可能性があるため、責任を妻に転嫁することで自分を守ろうとします。特に自己愛が強い人や、自己評価が過度に低い人は、自分が間違っていると認めることは絶対にしません。 2. 自己正当化 自分が悪いわけではなく、周囲が悪いのだと信じることで、自己正当化します。自己正当化することは、自己イメージを保ち、自分は優れている、いつでも正しいと思い込むことができます。モラハラの方は、自分が原因で問題が起きたと認めることができず、他者を非難することで自分の立場を正当化しようとするのです。 3. コントロール欲求 モラハラの根底には、相手をコントロールし支配したいという欲求があります。相手を非難し、責任を押し付けることで、相手に罪悪感や劣等感を植え付け、自分の支配下に置こうとします。怒ることで相手が自分の意見や行動に従うよう仕向けます。