不妊治療の現場から。体に負担をかけず自然に近い妊娠をめざす「低刺激周期」って?医師が回答
「そろそろ不妊治療を…」と考え始めたものの、クリニック選びに困っている方が多いのでは? そこで『妊活たまごクラブ』編集長が、それぞれ特長が異なるクリニックを訪問し、取材しました。ぜひ、参考にしてみて! 【画像】男女別でみるプレコンセプションケアチェックシート 今回は、体に負担をかけず、自然に近い妊娠をめざし、自然・低刺激周期の体外受精ができる「Shinjuku ART Clinic」院長の阿部崇先生にご回答いただきました。
☆Keyword
●卵巣を過剰に刺激しない自然・低刺激周期の体外受精 ●ほぼ年中無休で妊娠する力をサポート ●採卵時の痛みを軽減する独自の採卵針を使用
【Q】低刺激周期ってどういうものですか?
【A】薬剤の使用を極力控え、体に負担をかけずに妊娠する力をサポートする方法です ■阿部崇 先生(以下、阿部先生) 「できるだけ体への負担が少ない排卵誘発剤『フェマーラ(別名レトロゾール)』を使用して治療しています。この薬剤は、穏やかに排卵を促すことで卵胞の反応をよくする働きが報告されています。過剰に刺激しないので、必要以上に卵胞が育つ心配もありません。また、妊娠に至らなかった場合も、連続周期での治療が可能です」
【Q】初めての治療ではどんな検査が必要ですか?
【A】タイミング法が有効か、人工授精などが必要かを確認するヒューナーテストを行います ■阿部先生 「排卵日が近づいた検査当日の朝までに、性交渉があったうえで受診していただき、子宮頸管(しきゅうけいかん)粘膜や子宮内溶液を採取。きちんと運動している精子が子宮内に入っていれば、タイミング法が有効と判断します。精子が子宮内に入っていない、または数が不十分であれば、人工授精などを提案。いずれにしても、相談しながら進めます。」
【Q】通院の頻度はどれくらい?治療のスケジュールを教えて!
【A】月経周期に合わせた治療になるので、個人の状況で異なりますが、ほぼ年中無休体制でサポートします ■阿部先生「排卵誘発剤『フェマーラ』を使用する場合、月経3日目に来院し、服用開始。そのあと3~5日間程度服用していただき、月経開始から12日目に2回目の来院。順調であれば14日目に採卵と、採卵までに最低3回通院する必要があります。月経周期に合わせた治療なので、個人の状況によって来院回数が増えることもあります。」