「ソフト重点」、ニデック社長が明らかにした方針
ニデックの岸田光哉社長兼最高経営責任者(CEO)が17日、日刊工業新聞社のインタビューに応じ、ソフトウエアや制御技術の開発体制をグローバルで強化する方針を明らかにした。24時間開発が途切れない体制を国内外で構築する考えで、23日に発表する新中期経営計画で具体策を示す。既存事業の強化や新規事業の創出につなげるのが狙い。岸田社長は「事業体が有機的につながる企業にしたい」と強調した。 【一覧表】ニデックは?電子部品8社の業績詳細 ニデックは国内外のグループ会社のエンジニアがサーバーにアクセスし、24時間開発できる体制を築く考え。モーターなどハードウエアの開発と比べて、ソフト開発はグループ間連携が不足していたという。 電気自動車(EV)向け駆動装置「イーアクスル」などニデックが手がけるモーター製品などでは制御技術などソフトの開発力が不可欠。「制御のアルゴリズムを変えることで、モーターの効率がまるで変わる」(岸田社長)と説明する。 岸田社長は4月の就任後、永守重信グローバルグループ代表やグループ会社役員らとの密なコミュニケーションを通じ、ニデックの企業文化の理解や、保有する技術の棚卸し作業などに取り組んでいる。その中で、グループに蓄積してきたソフトや制御技術をこれまで以上に生かすことで、新たな事業拡大につなげる。 同社は2030年度の売上高10兆円達成に向け、この半分の5兆円をM&A(合併・買収)で達成するとしていた。岸田社長は想定以上に既存技術による成長が上振れるとの見通しを示した。