嘉門タツオ(65)「粗品よりもひどかった」30代を振り返る。八代亜紀、桑田佳祐、中島みゆき…大御所の名曲を“笑いのネタ”に
替え歌で印税はもらえない
――素朴な疑問ですが、替え唄の印税って……。 嘉門:もらえません。一切。すべてオリジナルを書いた人のところに行きます。 ――じゃあ、なんでやるんですか? 嘉門:山下達郎さんにも言われたことあります。「なんでそんな効率の悪いことやってるの?」って(笑)。実際、僕がつくる曲のなかで替え唄が占める割合は15%くらいですけどね。まあ、ギターを弾いて唄うのが好きなんですよ。 今「歌ネタ四銃士」と題して、テツandトモ、どぶろっく、AMEMIYAと一緒にコンサートもやっています。みんなギターを弾いて歌ってるところがポイントです。
自分なりに大阪万博を盛り上げていきたい
――来年開催される大阪万博の応援ソングとして、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』の替え歌『大阪・関西万博エキスポ~港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ~』が12月18日に配信リリースされます。 嘉門:まぁ、飲酒運転で事故を起こしたということで、公式にはなかなかオファーは来にくい立場にはありますが(笑)、自分なりに盛り上げていけたらなとは思ってます。 ――今年3月の復活ライブにもゲスト出演してもらうほど、元ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの宇崎竜童さんとは親交が深いんですよね。 嘉門:宇崎さんは僕のなかで一番かっこいい存在ですよ。高校時代につなぎを着てコンサート見に行きましたから。 宇崎さんといえば、山口百恵さんと僕は同い歳で、高校の春休みに百恵さんが通っていた日出学園へわざわざ会いに行ったことがあるんですよ。(※宇崎氏は山口百恵の楽曲を多く手がけたことでも知られる) ――百恵さんには会えたんですか? 嘉門:はい。でも「サインしてください!」って言ったら「学校と仕事場は違いますから……」と断られて、すれ違いざまに僕の左足を踏んで去って行きました(笑)。 ――うらやましいんだかうらやましくないんだか微妙なエピソードですね。 嘉門:宇崎さん、阿木燿子さん、さだまさしさん、谷村新司さん、三浦友和さん、三浦祐太朗さん……周りの人たちにはほとんどお会いしているんですけど、本人だけちゃんと会えてないという(笑)。 ――改めて最後に聞きますが、粗品さんに対してムカついてないんですか? 嘉門:全然。30代前半なんて自分のほうがもっとひどかったと思いますよ(笑)。 <取材・文/中村裕一 撮影/スギゾー> 【嘉門タツオ】 ’59年、大阪生まれ。’83年『ヤンキーの兄ちゃんのうた』でレコードデビュー。『ゆけ!ゆけ!川口浩!!』『替え唄メドレー』『鼻から牛乳』など多くのヒット曲を持つ。『鼻から牛乳~令和篇~』が9月に配信され話題に。『大阪・関西万博エキスポ~港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ~』が12月18日配信リリース、ニューアルバム『至福の楽園~歌と笑いのパラダイス~』が2025年3月19日発売。来年3月からは、東名阪ライブツアーも決定している。 【中村裕一】 株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter
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