嘉門タツオ(65)「粗品よりもひどかった」30代を振り返る。八代亜紀、桑田佳祐、中島みゆき…大御所の名曲を“笑いのネタ”に
中井貴一の事務所にいきなりFAXを送った
――ほかの人たちはどうでしょう。 嘉門:中井貴一さん。サザンオールスターズの『チャコの海岸物語』に合わせて「♪海パンの中井貴一が腰を振る物語~」って唄ったんですけど、30年以上経ってもミキプルーンのCM見るたびにあの歌詞を思い出します(笑)。 実は許可をいただく際、うちのマネージャーが中井さんの事務所に何の説明もなくいきなりあの歌詞だけをFAXで送ったもんだから「なぜうちの中井が海パンを履いて腰を振るんですか!」って。そういう仕事のオファーだと思われたんですね。 中井さんとはずっと面識なかったんですが、15年ほど前、たまたま何かのパーティーでお会いして。中井さんから「そのとき横にいて僕、笑ってたんですよ」と言われました。 ――時を経てちょっといい話になってますね。 嘉門:かぐや姫の曲で、今年の紅白にもでるイルカさんがカバーした『なごり雪』の替え唄の『なごり寿司』にしても、伊勢正三さんから「こないだも銀座の寿司屋に行ったら、いつも『なごり寿司』唄ってますねってオヤジに言われたけど、オレ歌ってないからね!」って(笑)。
替え唄をハモってくれたチャゲ
――総じて昔の大御所の人たちは寛容な印象があります。 CHAGE&ASKAの『SAY YES』で「♪何度も言うよ~君は確かに金を借りている~はよ返せ~千円~」っていうのがあるんですけど、僕がチャゲさんのラジオにでたとき、チャゲさんはハモってくれましたよ。 ――そういった替え唄はすべて先方の許可を取った上で発表されているんですよね。 そうです。ちゃんと順を踏んで筋を通しているので、むしろ好意的に対峙してくれるのはありがたいです。 ――許可をもらう段階で断られたケースもありましたか? それはご本人の意向だったり事務所の意向だったり、まちまちです。体感的に昔は6:4でオーケーだったのが、今は4:6といったところでしょうか。今は配信だったりメディアも複雑化しているので、CDはいいけど映像はダメとか、ケースバイケースです。